Project/Area Number |
20K08309
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 53010:Gastroenterology-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西田 憲生 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10624033)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 超保存領域 / 腸管分化 / iPS細胞 / long non-coding RNA / 大腸がん |
Outline of Research at the Start |
マウス以上の高等生物のゲノム上に存在する超保存領域(ultraconserved region, UCR)から転写されるRNAに内在する大腸がん発症リスクの解明を目的とし、「T-UCRを介した腸管幹細胞から正常上皮細胞への分化制御機構」の解明と「T-UCR制御機構の破綻がもたらす新しいがん悪性化機構」について、腸管オルガノイドを用いて研究を遂行する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、iPS細胞より腸管細胞に分化した細胞におけるT-UCR(transcribed-ultraconserved region)の発現結果を再評価した。今年度は、分化過程で遺伝子発現が上昇する遺伝子Aについて、引き続き、その機能について検討を行った。この遺伝子Aは、遺伝領域内に6つのUCRを保持しており、このうち、2つのT-UCRは、腸管への分化とともに発現が増えることを確認した。一方、残りの4つは、未分化および分化した細胞ともにほとんど発現していなかったため、まず、転写されるUCR(T-UCR)について検討を行った。 HA配列をN末端につけたこれらのT-UCR配列を、pcDNA3 プラスミドにクローニングし、その後、大腸がん細胞株HCT116細胞にトランスフェクションを行った。前年度に作成したターゲットタンパク質の抗体で確認したが、T-UCRを含むプラスミドからは、構成的に発現するタンパク質を認識する抗体と反応するバンド(翻訳されるたんぱく質)は確認できなかった。この転写産物をin vitro 翻訳アッセイなどを用いて、翻訳機能の検討を行う予定であったが、他の業務との兼ね合いで十分に時間をかけて実験を遂行することができなかった。このため、1年間の期間延長を行い、2023年度に、T-UCRを含む配列の翻訳活性能力の検討、さらにその生物学的意義について、ひきつづき検討を行っていく予定である。また、生理学定義の検討のため、胎児期における発現のダイナミクスをとらえるために、動物実験の準備(申請等)を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
既成の抗体を2種類購入し、ターゲットタンパク質の発現量のチェックを試みたが、構成的な発現タンパク質を認識できなかった。独自で作成した抗体のうち1つは、ターゲットタンパクにHAを付加した過剰発現ベクターをトランスフェクションした細胞から抽出したタンパク質において、構成的タンパク質を認識することは確認できた。今年度は、T-UCR配列からタンパク質発現の有無を明らかにするために、in vitro assayを実施する予定であったが、十分に遂行できなかったため、遅れていると評価した。2023年度は、前年度に検討できなかった in vitro assayならびに動物実験を遂行する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ターゲットとしている遺伝子Aは、タンパク質をコードするmRNAと新規に解析を進めているRNAの2つのアイソホームが転写される。この構成的に発現するタンパク質に対する抗体を作製することができたため、今後は、新規に解析を進めているUCRを含むRNAが、内在性タンパク質として翻訳されているかどうかについて、明らかにする予定である。そのために、in vitro assayにより翻訳能力があるかどうかの判定をする。また、UCR領域の遺伝子編集によるノックダウンを用いて、構成的に発現しているタンパク質への転写、翻訳レベルへの影響を検討する。さらに、遺伝子Aは腸管上皮細胞のみならず、神経系細胞の発現が亢進していることが知られている。そのため、胎児マウス脳における発現変化のダイナミクスをとらえることで、発生・発達段階における生物学意義を明らかにする。
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