人工知能とテキストマイニングを用いた肥満手術の新しい適応基準の確立に向けた研究
Project/Area Number |
20K09015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55020:Digestive surgery-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
田中 達也 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20529169)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧口 修司 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00301268)
小川 了 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (70423853)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | テキストマイニング / 減量・代謝改善手術 / 減量効果 / 効果予測 / カルテ記載 / テキストマイニングスタジオ / MatLab / 臨床心理士 / 人工知能 / 肥満手術 |
Outline of Research at the Start |
本邦で高度肥満症に対する手術治療が増加している。しかし、高度肥満患者は精神疾患を抱えていることが多く、 治療中や手術後に問題になることがある。現在、肥満手術の選択基準に精神疾患の有無の項目はない。 また精神疾患の診断で、肥満手術が適切かを決める基準もないため、精神的な疾患を抱えた高度肥満患者の治療方針の決定に難渋している状態である。本研究では術前の理学所見や検査結果のみならず、術前のアンケート調査や電子カルテといった文章も解析し、術後の精神的状態と減量効果と比較して、適切な手術適応を決めることである。検討は人工知能を用いて行い、検査データとテキストマイニングを用いたカルテ記載の両方を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在までの症例での検討が出来ている分を解析した。本検討は減量・代謝改善手術を行った患者の中で減量効果が高かった患者と低かった患者の違いについて電子カルテの文章記載を検討することで患者の生活面・心理面での差異について検討を行っている。検討症例は25例、1年後の%EWLの中央値(52%)で減量良好群・不良群の2群に分けた。検討にはテキストマイニングスタジオを用いた。検討した文章は生活面での特徴をとらえているため、術前から術後1年までの精神科医・心理士・管理栄養士のカルテとした。文章は15104行、延べ単語数は3256語であった。係り受け頻度解析で減量良好群は管理栄養士の“食事療法―継続“”減量―いただく“の組み合わせが多く、良好に経過している栄養管理を継続して行っていると考えられた。一方、減量効果不良群で多かったのが”継続―いただく“”体調―合わせる“の組み合わせで、食事療法が継続できていないので管理栄養士が繰り返して食事指導を行っていると考えられる。好評語ランキングでは減量良好群では不良群に比べて”減量―出来ている“,”摂取―すると良い“と組み合わせが目立った。不評語ランキングでは減量良好群で”食事―大丈夫“”脂の多い食事―注意“”気持ち―悪い“といった組み合わせが見られた。減量良好群では食事・減量に対して支持的に評価する評価語が多かったが、”気持ち―悪い“に関しては手術直後の実際の吐き気を表す場合が多かった。テキストマイニングによる25例・1万5千行のカルテ記載の検討は従来の採血などの検討に比べれば格段に検討項目は多いが、特定の単語の組み合わせを検討するためには症例数がまだ少ないことが分かった。今後は症例の積み重ねと解析方法の調整をする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの症例での検討が出来ている分を解析した。本検討は減量・代謝改善手術を行った患者の中で減量効果が高かった患者と低かった患者の違いについて電子カルテの文章記載を検討することで患者の生活面・心理面での差異について検討を行っている。検討症例は25例、1年後の%EWLの中央値(52%)で減量良好群・不良群の2群に分けた。検討にはテキストマイニングスタジオを用いた。検討した文章は生活面での特徴をとらえているため、術前から術後1年までの精神科医・心理士・管理栄養士のカルテとした。文章は15104行、延べ単語数は3256語であった。係り受け頻度解析で減量良好群は管理栄養士の“食事療法―継続“”減量―いただく“の組み合わせが多く、良好に経過している栄養管理を継続して行っていると考えられた。一方、減量効果不良群で多かったのが”継続―いただく“”体調―合わせる“の組み合わせで、食事療法が継続できていないので管理栄養士が繰り返して食事指導を行っていると考えられる。好評語ランキングでは減量良好群では不良群に比べて”減量―出来ている“,”摂取―すると良い“と組み合わせが目立った。不評語ランキングでは減量良好群で”食事―大丈夫“”脂の多い食事―注意“”気持ち―悪い“といった組み合わせが見られた。減量良好群では食事・減量に対して支持的に評価する評価語が多かったが、”気持ち―悪い“に関しては手術直後の実際の吐き気を表す場合が多かった。 昨年まで、コロナ禍で手術患者の減少があり、症例の蓄積が進まなかった問題があったが、2023年から手術件数が増加してきている。現時点では経過観察期間がまだ不十分のため解析可能な症例はまだ限られているが、経過観察期間が増加すれば十分な結果が得られる可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
現在コロナ禍が収束し、減量・代謝改善手術の件数が増加してきている。手術件数が増加してきているため、今後は対象患者も増加することが見込まれ、経過観察期間が終了すると十分な解析ができることが予想される。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)