Mechanisms for the initial process of hair cell regeneration in avian inner ears
Project/Area Number |
20K09708
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中川 隆之 京都大学, 医学研究科, 研究員 (50335270)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 慶 近畿大学, 理工学部, 講師 (00387961)
喜多 知子 (嶋知子) 京都大学, 医学研究科, 特定講師 (20362519)
西村 幸司 滋賀県立総合病院(研究所), その他部局等, 嘱託研究員 (20405765)
大西 弘恵 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50397634)
山本 典生 京都大学, 医学研究科, 准教授 (70378644)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 感音難聴 / 有毛細胞 / 再生 / 分化転換 / 鳥類 |
Outline of Research at the Start |
哺乳類とは異なり、鳥類の聴覚器官である基底乳頭では、有毛細胞再生が自発的に誘導され、聴覚機能も再生される。鳥類とは異なり、哺乳類では有効性が期待できるレベルの聴覚機能再生は報告されていない。近年、鶏に関する遺伝子情報が充実し、網羅的遺伝子解析手法を用いて、これまで困難であった鳥類における有毛細胞再生に関連する遺伝子およびシグナルの詳細な分子生物学的解析が可能となった。鳥類における旺盛な有毛細胞再生機構を哺乳類における有毛細胞再生活性化に応用し、哺乳類蝸牛における有毛細胞再生効率を向上させ、新しい感音難聴治療薬開発につなげる。
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Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類とは異なり、鳥類の聴覚器官である基底乳頭では、有毛細胞再生が自発的に誘導され、聴覚機能も再生される。鳥類とは異なり、哺乳類では有効性が期待できるレベルの聴覚機能再生は報告されていない。近年、鶏に関する遺伝子情報が充実し、網羅的遺伝子解析手法を用いて、これまで困難であった鳥類における有毛細胞再生に関連する遺伝子およびシグナルの詳細な分子生物学的解析が可能となった。本研究では、鶏蝸牛器官培養系を用い、支持細胞から有毛細胞への直接分化転換による有毛細胞再生過程の網羅的遺伝子解析を行い、支持細胞の活性化メカニズム、活性化した支持細胞の細胞生物学的特徴、活性化支持細胞から有毛細胞への分化転換の分子機構の解明に関する研究を実施した。単一細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析データのpseudotime trajectory analysisを行い、経時的発現変動のクラスタリングを行い、6つの変動パターンに分類することができた。支持細胞および有毛細胞マーカー遺伝子の発現変化から、作成したpseudotime trajectoryが支持細胞から有毛細胞への分化転換過程を良好に反映することが示された。重要な点として、支持細胞マーカー遺伝子消失過程と有毛細胞マーカー遺伝子発現過程の間に前駆細胞的な性質を獲得する段階があることが示唆された。すなわち、支持細胞から有毛細胞に直接的に分化転換するのではなく、一旦前駆細胞的な状態を経て、有毛細胞への分化が開始することが明らかとなった。また、支持細胞の前駆細胞化に係わる上流シグナル同定を目的として、再生初期段階の鶏聴覚感覚上皮におけるchromatin accessibilityの変化を解析するために、ATAC sequencingおよびRNA sequencingを実施し、データ解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度には、鶏聴覚感覚上皮における有毛細胞再生の初期過程の単一細胞レベルでの網羅的遺伝子発現解析のデータ解析を進め、pseudotime trajectory analysisから支持細胞から有毛細胞への分化転換メカニズムに関する仮説を立て、裏付けを確立するための組織学的解析、標的シグナル候補の阻害薬による抑制実験を複数の候補について実施した。結果として、段階的な支持細胞から有毛細胞への段階的な分化転換過程を呈示し、関連するシグナルを明らかにすることができた。本研究成果を原著論文(査読あり)として発表した。また、本研究成果の臨床的な位置づけと今後の展開を論じたreview論文(査読あり)を執筆した。同時に、有毛細胞再生の初期過程における支持細胞における遺伝子発現変化の上流シグナル探索を目的とし、過去の解析データに立脚し、実験群を再考し、器官培養実験を実施した。得られた検体のATAC sequencingおよびRNA sequencingを実施し、オープンクロマチン領域と発現変動遺伝子の関連性について解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には、蓄積したデータの論文化、学会発表など研究成果公表を中心とした研究活動を行い、同時に、解析中のATAC sequencingおよびRNA sequencingデータに基づき、裏付けとなる検証実験を計画、実施する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(10 results)