Turkish strategies for constructing narratives around cultural heritage in Anatolia
Project/Area Number |
20K12348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 80010:Area studies-related
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
阿部 拓児 京都府立大学, 文学部, 准教授 (90631440)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
守田 正志 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (90532820)
田中 英資 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 教授 (00610073)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アナトリア / トルコ / 文化遺産 / 歴史的重層性 / 正しい物語 |
Outline of Research at the Start |
トルコ・アナトリアの文化遺産は、その地がたどってきた複雑な歴史ゆえに、たえず再利用・再解釈にさらされながら、重ね塗りのように形成されていった。他方で文化遺産は、それが価値づけられるに際し、結び付けられる文脈や置かれる場によって、いくつもの物語を生み出す。本研究では(1)文化遺産をめぐる複数の解釈が存在するなかで、トルコ共和国で何が「正しい物語」として選択され、それがどう構築されていくのかという戦略を問い、(2)文化遺産管理の担い手となったトルコ共和国にとって、みずからの体内に飲み込んだ「他者」の遺産が抱える価値とは何なのかを考察する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、採択と同時に世界的に猖獗を極めた新型コロナウイルスの流行によって、研究計画に大幅な遅れが生じていた。しかし2022年度以降、流行がやや落ち着きを見せ始めたことにより、徐々に本来の軌道に戻りつつある。2022年5月には福岡女学院大学にて、対面の研究会を開催した。研究報告の内容は次のとおりである。①「イオニア・ポリス考」(阿部拓児)、②「トルコの都市近代化―西欧とロシアの狭間で」(守田正志)。前者は、トルコ西岸のイオニアの都市が、巨大河川の土砂運搬という自然条件に大きく規定されながら、発展してきたことを論じた。また後者の研究は、トルコの東部の都市が近代化した際には、西欧のモデルのみではなく、ロシアからの影響も大きく受けたことを指摘した。質疑応答をはさんで、今後の研究計画について話し合いがもたれた。それを受け、9月5日から14日にかけて、本科研で最初となるトルコ共和国での現地調査を実施することとなった。主な調査地はつぎのとおりである。カラベル渓谷、マグネシア遺跡、ミレトス遺跡(新バラト村をふくむ)、ミュス遺跡、ラトモス山、エフェソス遺跡。これらの研究会および現地調査をふまえて、以下の成果物を発表した。「アルカイック期から古典期のミレトス―イオニアの景観・地政学・ポリス」(阿部拓児、学術雑誌『古代文化』入稿済み)、「19世紀のロシアと西欧の狭間で」(守田正志、『辺境・カフカースの生きられた都市―近代黎明期のジョージア都市の生態』彩流社所収)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本科研は、採択された2020年度から、新型コロナウイルスの世界的流行に悩まされ続けてきた。本来の研究計画の初年である2020年度は、トルコ共和国での現地調査は言うに及ばず、国内での研究会も開催できなかった。一度、Zoomによる打ち合わせをおこなったが、すべてはコロナ禍の流行次第という、まったく不透明な状況であった。2021年には、デルタ株が流行の落ち着きを見せた同年末にはじめての研究会をおこなったが、その後はオミクロン株の爆発的流行を受けて、ふたたび計画の先行きは不透明になった。しかし2022年度に入ってからは、コロナ禍の流行に不安をおぼえつつも、本来の軌道に乗せるべく、対面の研究会および念願であったトルコ共和国での現地調査を挙行した。研究計画の3年目(本来の最終年度)にして、ようやく動き出せたということで、課題の進捗状況としては「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究期間の1年間延長が承認されたことを受け、できるだけ当初の計画にそって研究を推進する。2023年度は前半と後半とに、対面の研究会を実施する。また、夏にはトルコ共和国にて現地調査をおこなう予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)