An empirical research on strategies for supporting students with disabilities in university libraries
Project/Area Number |
20K12566
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 90020:Library and information science, humanistic and social informatics-related
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
松戸 宏予 佛教大学, 教育学部, 教授 (80584482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 久美子 八洲学園大学, 生涯学習学部, 教授 (70781441)
野口 武悟 専修大学, 文学部, 教授 (80439520)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 大学図書館 / 障害学生 / 連携 / 研修 / 自立 / 人的支援 / 間接支援 / 学習環境整備 / 障害学生支援 / 持続可能な支援 / 現状 / 課題 |
Outline of Research at the Start |
支援業務の現状面では、質問紙調査を行う。障害学生支援要素(図書館員の意識、支援体制、連携、研修)を分析枠として、大学図書館間における取組み実施の差や、取組みの程度と図書館の属性との間の関連性を検討する。そして、支援形態の特徴は何かを明らかにする。 方略の考察面では、面接調査を行う。得られたデータは詳細な状況が含まれているため、質問紙調査で得られた結果比較を行う。そして、方略を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,日本の大学の通学課程・通信教育課程に携わる図書館の障害学生支援の取組みの現状を明らかにする。そして,図書館の障害学生支援が持続可能な業務として展開するための示唆を得ることを目的とする。この目的を遂行するため,2022年度は大学図書館における①支援形態の特徴,②障害学生支援のスタンスを明らかにした。 支援形態の特徴では,3点が浮き彫りになった。第1に,図書館機能に即した支援(問題解決の教示,情報のアクセス保証,個別のニーズはレファレンス)が,日常業務の延長として実践されていた。このことから障害学生支援は特別なことを行うわけではないことが示唆された。第2に潜在的な障害学生に対しても,図書館利用や依頼しやすいように,間接支援を継続して行っていた。例えば,サイトの見やすさ,館内表示の分かりやすさの工夫である。第3に支援を強化するうえで,人事異動で他部署からの異動者が中心となって他部署との情報共有を心がけていた。 障害学生支援のスタンスでは, 大学図書館は全学的な方針を踏まえ,必要に応じて支援部署と連携していること,大学図書館員は障害学生に対して,自立を見据えて対応する,皆に平等なサービスを提供する,コミュニケーションを大事にする,本人の意思を尊重するといった姿勢で対応していた。 成果の一部については,2022年7月にIFLA(国際図書館連盟)主催の国際図書館連盟ダブリン年次大会でポスター発表を行った(審査制)。また,2022年11月に情報メディア学会で口頭発表を行った。そして,2020年度から2022年度におけるこれまでの結果を踏まえてシンポジウム「大学図書館における障害学生支援のいまとこれから」を2023年2月に専修大学神田キャンパスで開催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3名での共同研究のため,オンラインを通して月に1度の打合せを継続的に行っている。 打合せでは,2022年度は(1)分析の検討,(2)成果発表の準備を中心に行った。 (1) 分析の検討:2021年度に行った16大学図書館の聞き取り調査で得られたデータをもとに2つのプロジェクトで分析の検討を行った。「支援形態の特徴」を松戸,「障害学生支援のスタンス」を野口久美子が主に担った。各結果の検討は3名で行った。「支援形態の特徴」では,「障害学生に対して支援を行ううえで、担当者はどのような配慮や工夫の手立てを行っているのか」を分析の観点にして支援形態はどのようなものか,支援と連携など全体的な関係について理論生成を行った(M-GTA分析)。「障害学生支援のスタンス」では2つの観点で分析を行った(KJ法)。分析観点では「大学図書館員はどのような対応方針のもとに支援部署や教員等と連携しているのか」と,「障害学生に対して、どのような姿勢で向き合っているのか」である。 (2) 成果発表の準備 「支援形態の特徴」: IFLA(国際図書館連盟)主催の国際図書館連盟ダブリン年次大会に向けて(審査制)のため,「The characteristics of support for students with SEN in Japanese 16 university libraries」という題目でポスター作製と配布資料を作成し,3名で確認した。「障害学生支援のスタンス」では大学図書館における障害学生支援のスタンス~16大学を対象とした聞き取り調査に基づく分析~」という題目で要綱を作成し,3名で検討した。シンポジウムでは野口武悟が主に企画構成を,野口久美子が事務局を,大学図書館員のゲストの交渉を松戸が担った。このような状況から「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度を延長年として,これまでの(1)プロジェクトの補足調査や(2)まとめとして4点を計画した。 (1)プロジェクトの補足調査:コロナ禍のため16大学図書館の聞き取り調査はズームを用いての調査であった。他部署と積極的な連携を行っていた山口大学図書館と滋賀県立大学図書館の背景を探るため訪問調査を6月(山口大学付属図書館),7月(滋賀県立大学付属図書館)に行う。訪問では実際に図書館の見学を通して,改めて障害学生支援の現状やスタンス,2年前のインタビュー後の状況(変化した点など)を確認する予定である。可能であれば,障害学生支援部署の方にも話を伺う(滋賀県立大学では2023年4月内諾済)。 (2)まとめ:以下の3点についてまとめていく。第1に,2022年度に発表した「支援形態の特徴」については主担当の松戸宏予が「New Review of Academic Librarianship」に8月までに投稿予定。第2に「障害学生支援のスタンス」では主担当の野口久美子が「八洲学園大学紀要」に2023年8月に申請2024年1月に投稿予定。第3に,2020年度から2022年度にかけての最終報告としての報告書の作成を8月から着手,1月原稿締め切り,12月印刷,2024年1月郵送予定(編集責任者野口久美子)。
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Report
(3 results)
Research Products
(12 results)