The meaning of Kant's theory of race in early modern and today
Project/Area Number |
20K12783
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 01010:Philosophy and ethics-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
李 明哲 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (00758485)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2020: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | カント / 地理学 / 人間学 / 人種概念 / 合目的性 / 目的論的判断力 / 批判哲学 / 判断力 / 西洋近代 / 人種 / 博物学 / 目的論 |
Outline of Research at the Start |
西洋近代において人種区分を創出したとされるカントの人種理論には、人種主義的偏見が含まれる一方、人類共通の「根幹種族」から生まれる「変種」を人種の区分とし、それが人類全体にとって無限な多様性をもたらすと考えた。カント哲学および近代の時代状況におけるカント人種理論の位置付けは、現代の反人種差別的課題においていかなる意義を持つか。本研究では、18世紀の博物学・自然史の文脈を踏まえながら、カント人種理論が持つ、カント哲学内部への積極的な影響を明らかにする。さらに、その人種理論の位置付けを反人種差別の視点と擦り合わせながら、カント人種理論が持つ現代的意義を探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
カント人種論とカント批判哲学との関連についての考察は、昨年度でいったん区切りをつけた。今年度は、前年度の成果を踏まえ、カント人種論は、近代および現代において、いかに位置付けられるのかについて、さらなる探求をおこなう準備に費やした。 具体的な問いとしては、第一に、カント歴史哲学の研究と、カント人種論における「自然史」概念をいかにむすびつけて解釈できるのか。第二に、カントが地理学講義からはじめ、1772年からの人間学講義の開講、1775年から1788年までの人種論文の発表、そして1790年『判断力批判』にいたるまでの、カントの生物学的関心の形成・維持には、当時のどのような学術的影響が指摘できるのか。第三に、カント人種論の考察を踏まえて、近代から現代にかけての社会的構築物としての「人種」概念の使用について、分析を加え、「人種」概念にかんする反人種差別的な現代的意義をいかに論じることができるのか。 上記の第一にかんしては、「自然史」概念を切り口として、カントの歴史哲学と人種論をつなぐ議論については、この科研費のテーマを超えていると判断し、今後の研究課題として取り扱うことにした。他方で、第二にかんしては、人間学開講時のE.プラトナーへの反発や、1780年代以降のブルーメンバッハからの思想的影響やその議論内容の異同をテーマとして、現在、カント研究会による共著出版用の原稿を進めている。本年度は、この執筆者エントリーやオンラインでの共著者間の打ち合わせなどをおこなった。また、カント協会2023年度大会にて、カント地理学にかんする共同討議をおこなうことになり、こちらも討議者および司会者と打ち合わせを進めている。第三にかんしては、2023年2月に、関連する研究会で発表をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、冬に発表一本と業績そのものは少なかった。ただ、昨年度に掲載決定した論文の校正が初夏まで伸び、来年度に向けて、共著出版のエントリーおよび打ち合わせ、学会大会での関連テーマの討議に向けての打ち合わせなどを進めて来た。今年度は、一年延長していることも踏まえてやや遅れていると言わざるを得ないが、来年度に取り返すための構想は整っていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
第一に、1770年代から90年代までのカントの生物学的関心の形成・維持には、当時のどのような学術的影響が指摘できるのかという論点で、論文執筆をおこない、カント研究会による共著出版を年度末頃おこなう。また、この論点には、カント地理学の多様な解釈の可能性も含まれており、そのテーマで、11月のカント協会大会で共同討議をおこなう。 第二に、カント人種論の考察を踏まえて、「人種」概念にかんする反人種差別的な現代的意義をいかに論じることができるのかという論点で、応用哲学関連の学会発表ないし論文執筆をおこなう。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)