Project/Area Number |
20K13161
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
繁沢 敦子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 准教授 (90779307)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2020: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | ジョン・ハーシー / ヒロシマ / 原子爆弾 / 検閲 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、米国のジャーナリストで後に作家となったジョン・ハーシーの『ヒロシマ』(1946年)が、原子爆弾をめぐる言説の形成に果たしてきた役割を再考する。出版当時米国内に存在した、原爆をめぐる大きくは二つの相対立する言説--日本の降伏に決定的な役割を果たしたとするものと必要はなかったとするもの--の文脈で、新たにその位置付けを捉え直すことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は書籍や論文の出版という目に見える形にはならなかったが、それに向けたことがたくさんできた、充実した一年であった。 見える形で実施できたこととしては、7月に広島市の美術館で開催された特別展「広島の記憶」にゲストとして招かれ、展示の一つのテーマにもなっていたジョン・ハーシーの「ヒロシマ」について、出版前に陸軍マンハッタン工兵管区のグローブズ将軍によって行われた検閲の内容について話をした。本研究者が見つけた検閲されたゲラについて中国新聞が2021年に報じたことから、美術館の企画担当者が研究に関心を持ってくださっていたのである。 9月には、札幌市の北海学園大学を会場に開催された日本アメリカ史学会第20回年次大会で発表を行った。グローブズ将軍がハーシーの「ヒロシマ」だけでなく、同時期に核開発についてアメリカ国内で多くの取材を行っていたダニエル・ラングの記事についても検閲を行っていたこと、また戦後の検閲の名目となった「国家安全保障」という異なる意図があったことを明らかにした。 11月にはアメリカのジョージタウン大学で行われたNuclear Security Summitに参加し、原爆投下直後に被爆地で調査を行った米戦略爆撃調査団が、放射線、中でも残留放射線について、どのように評価したかを発表した。 後者二つについては論文にもまとめ、投稿している。Nuclear Security Summitのものは自身の博士論文の一部からの発表ではあったが、論文化するにあたって新たに文献調査を行い、新しい発見も含めることができた。 2022年に発表を行い、論文化していたハーシーの「ヒロシマ」の検閲に関する論考も間もなく出版予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナ感染症拡大によって当初の2年間、渡航調査ができなかったため、全体的にその分後ろ倒しになっている。しかし、その後は順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
あと二つほど「ヒロシマ」に関するテーマがあり、2024年度にはそちらの研究に取り組みたいと考えている。これまでの研究にそれらを加え、書籍化ができればと願っている。 2023年度は発表や論文執筆で多忙を極めたため、海外調査ができなかった。2024年度はそれを行い、上述の二つのテーマについて形にしたいと考えている。
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