博物館事業に注目した地方企業家フィランソロピーの展開に関する歴史的研究
Project/Area Number |
20K13254
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 03070:Museology-related
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
大木 真徳 青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 准教授 (00839516)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2020: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 博物館史 / 地方博物館 / 地方企業家 / フィランソロピー |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大正期に地方企業家が博物館を設立した動機を、彼らが展開した各種の社会貢献事業との関連から検討し、地方における博物館の発展・普及に企業家フィランソロピーが果たした役割を明らかにする。その検討にあたっては、3館程度の事例を設定し、それぞれについて、その設立者である地方企業家による社会貢献事業の全体的状況(①)、および、そのなかでの博物館事業の位置づけ(②)を把握したうえで、博物館という社会的装置に対する、彼らの期待の内実(③)を明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、国内各地の博物館を対象とした事例調査を主体とするものであるが、2021年度から引き続き、2022年度も新型コロナ感染症の影響で現地調査の実施に制約がかかる中、すでに収集済みの資料の整理・検討を継続して進めた。加えて、地方企業家の社会貢献活動を歴史的に検証する新たな視点を獲得するために、社会事業史等の関連分野の資料の収集・検討にも着手した。これにより、これまでの研究の枠組みや成果を大いに補強することができた。 また、学会活動や展示見学等による研究動向の把握等にも精力的に取り組んだ。具体的には、全日本博物館学会、日本ミュージアム・マネージメント学会、全国大学博物館学講座協議会等の博物館関連の学会・協会による研究大会等に参加し、博物館史研究者との交流を通じて、最新の研究動向の把握および本研究の成果発信等に努めた。また、神戸市立博物館で開催された特別展「よみがえる川崎美術館」をはじめとする、地方企業家による設立の博物館をテーマとした展示を見学し、あわせて、関連資料を収集することにより、本研究で事例調査の対象としている博物館の比較対象となるデータの蓄積に一層の進展が見られた。 なお、2022年度には、共編者として2件の著書の執筆にも取り組んだ。いずれも2023年度内には刊行の見込みとなっている。内容はいずれも社会教育領域のものであるが、その執筆にあたっては、施設論の観点から、本研究で得られた成果が随所に役立てられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では、2021年度に実施できなかった調査対象館の現地調査を行うつもりであったが、新型コロナ感染症の影響が依然として残る中、長距離移動を伴うフィールドワークには慎重にならざるを得ず、実施することがかなわなかった。実施できなかった現地調査については、再度、日程等の調整のうえ、2023年度に行う予定である。 いっぽうで、継続して取り組んでいる資料の収集・整理、および、分析には着実な成果が得られている。とくに、2022年度には、社会事業史をはじめとする、これまでに十分に目を向けてこなかった、本研究の関連・周辺領域の文献資料の収集・検討に着手できたことにより、これまでの研究枠組みの強化という点で意義のある進展が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究では、これまでに実施できなかった現地調査を、できる限り実施する予定である。とりわけ、鎌田共済会郷土博物館(坂出市)については、優先的に現地での資料調査を実施したいと考えている。また、他の事例館についても、状況に応じて、関係者へのインタビュー等の補足的調査を行うことを検討している。 鎌田共済会郷土博物館を対象とした調査に関しては、その成果を年度内にまとめ、博物館学会『博物館学雑誌』をはじめとする博物館学領域の学会誌へ投稿する予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)