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Elucidation of the Expression Mechanism of Dignity through the Recovery Process of the Great East Japan Earthquake

Research Project

Project/Area Number 20K13286
Research Category

Grant-in-Aid for Early-Career Scientists

Allocation TypeMulti-year Fund
Review Section Basic Section 04030:Cultural anthropology and folklore-related
Research InstitutionReitaku University

Principal Investigator

内尾 太一  麗澤大学, 国際学部, 准教授 (30759569)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2021)
Budget Amount *help
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Keywords文化人類学 / 尊厳 / モノを通して考える / マルチスピーシーズ / 東日本大震災
Outline of Research at the Start

東日本大震災の発生から9年以上が経過した。その被災地は、国家や市場、市民社会の参入による復興を通じて、短期間のうちに文化変容を経験してきた。その変化に被災者はどのように向き合ってきたのか。そこでキーワードとなるのが、被災者の尊厳(dignity)である。
本研究では、今日に至る復興過程における被災者の尊厳の現れを重要な現象として捉え、その発現メカニズムの解明を主要課題とする。従来は人間に内在する本質的かつ静的な概念とみなされてきた尊厳を、文化人類学の手法によって地域社会に備わる価値をめぐる防衛機制として描き出し、人間の社会に散在する動的な関係性の概念へと再構築を試みる。

Outline of Annual Research Achievements

今年、2022年3月11日で東日本大震災の発生から11年が経過した。申請者は、宮城県南三陸町の復興を長年にわたってフィールドワークしてきた。
とりわけ、本研究課題が対象としている後期復興過程においては、災害公営住宅・高台移転先での住民コミュニティの形成や、人口減少の中での地域活性化・産業振興の取り組み、震災を直接経験していない世代への記憶・教訓の継承が、人々の関心事となっている。
それらの調査においてキーワードとなるのが、尊厳(dignity)である。 本研究プロジェクトでは、復興過程において、今の被災地に生きる人々の尊厳の現れを重要な現象として捉え、 その発現メカニズムの解明を主要課題としている。
震災発生10年の節目を迎えてからの1年は、これまでの被災地の10年を総括をするとともに、「脱震災」のまちづくりも念頭に置いたこれからの地域社会のあり方を考える期間となった。新型コロナウィルスの感染拡大状況に調査が左右される時期は続いているが、その苦境に直面しているはフィールドの人々も同様である。コロナ禍以前から自らの住む町を「課題先進地域」と捉え、多くの町外からの視察を受け入れてきた。そして現在のウィズコロナの取り組みでもその精神が発揮されつつある。本研究が明らかにしようとしてきた尊厳は、そうした困難経験を乗り越えようとする人々とともに現れるものだといえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2021年5月に「犠牲と弔いの10年史:宮城県南三陸町を事例に」という口頭発表を行い、「災害と観光ーー東日本大震災の被災地における『ダークツーリズム』」という文章が収録された書籍が出版された。犠牲者や震災遺構、という観点から震災発生からの10年を総括する研究成果を残すことができた。
その後は、フィールド調査の代わりに南三陸町の人々とのオンラインワークショップに参加したり、尊厳に関する文献調査を進めた。
そして、2022年3月には現地調査を実施し、感染対策をした上で多くの南三陸町の人々から、今の地域社会や復興について聞き取り調査をすることができた。また屋外でのフィールド調査として、町の漁業者や林業者の仕事の現場も視察した。

Strategy for Future Research Activity

2022年3月の調査を受けて現在、この研究プロジェクトにおいて、特に注目をしているのは人間と自然の関係で、具体的には今日の被災地における持続可能な一次産業の取り組みを追っている。
2011年に日本を襲った東日本大震災は、人間が生態系の中で自らの立場を危うくしていることを示す出来事でもあった。ゆえに復興過程では、おのずと自然と共生していくという発想が生まれてくる。さらに、そこへSDGsに代表されるグローバルな価値観を取り入れようとする、進取の気性に富む復興の担い手の存在が登場してくる。宮城県南三陸町の場合、町の漁業やと林業者が震災後にそれぞれ、ASC認証(Aquaculture Stewardship Council認証、「海のエコラベル」と呼ばれる)、FSC認証(Forest Stewardship Council認証、「森のエコラベル」と呼ばれる)を取得し、国際的な水準での持続可能な自然資源の管理を行なっている。フィールドでは、人と海、人と山の関係において、尊く侵しがたいものとしての自然や、それを傷つけないことを誇りとする漁業・林業のプロフェッショナルの姿が立ち現れてくるのが観察できる。最終年度は、そうした人々に注目し、引き続き、船上や山中での調査を行なっていく。

Report

(2 results)
  • 2021 Research-status Report
  • 2020 Research-status Report

Research Products

(5 results)

All 2021 2020

All Journal Article (1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「ポスト3.11における『人間の安全保障』アプローチの実践と検討」2021

    • Author(s)
      内尾太一
    • Journal Title

      『モラロジー研究』

      Volume: 86 Pages: 21-30

    • Related Report
      2020 Research-status Report
  • [Presentation] 「犠牲と弔いの10年史:宮城県南三陸町を事例に」2021

    • Author(s)
      内尾太一
    • Organizer
      NPO法人 とうかつ生と死を考える会 5月例会
    • Related Report
      2021 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 「『復興と尊厳―震災後を生きる南三陸町の軌跡』から ―2021年3月の南三陸町にて―」2021

    • Author(s)
      内尾太一
    • Organizer
      日本平和学会 東北地区研究会 第1回公開研究会
    • Related Report
      2020 Research-status Report
  • [Presentation] 「復興の尊厳論、その課題と展望 ―東日本大震災発生から10 年を前に―」2020

    • Author(s)
      内尾太一
    • Organizer
      立命館大学環太平洋文明研究センター第31回研究会
    • Related Report
      2020 Research-status Report
  • [Book] 『尊厳ーその歴史と意味』2021

    • Author(s)
      マイケル・ローゼン著、内尾太一、峯陽一訳
    • Total Pages
      252
    • Publisher
      岩波書店
    • ISBN
      9784004318705
    • Related Report
      2020 Research-status Report

URL: 

Published: 2020-04-28   Modified: 2022-12-28  

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