Project/Area Number |
20K13650
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 07100:Accounting-related
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
調 勇二 東洋大学, 経営学部, 准教授 (50821930)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 統合報告 / 資本コスト / 利益公表後ドリフト / 実体的利益調整 / ESG / リアル・エフェクト / 短期志向 / 市場評価 / 情報の質 / 経済的影響 / 利益調整行動 / 租税回避行動 / 投資・資金調達・利益還元行動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、統合報告の導入が及ぼす経済的影響を、企業内部者の意思決定の改善、及び企業外部者の利用可能な情報の質の改善という2つの観点から、日本企業を対象に実証分析を行うことにより明らかにする。本研究から得られる成果は、統合報告が有する経済的意義について、実務的及び政策的に有益なインプリケーションを提示することが期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、統合報告の導入がどのような経済的影響を及ぼしうるのかを明らかにすることを目的としている。近年、日本を中心に統合報告の自発的な導入が国際的に進みつつあるが、自発的な統合報告の経済的影響に関する経験的証拠の蓄積は未だ十分ではない。統合報告の導入は企業に対して新たなコスト負担を生じさせるため、その効果について経験的証拠を提示することは社会的にも意義深いといえる。それゆえ、本研究では、統合報告の自発的な導入に対して積極的な我が国上場企業を対象として、統合報告の導入効果を実証的に検討する。 本研究によって得られた今年度の成果は以下のとおりである。令和5年度は、主に統合報告の導入によって外部の情報環境がどのように変化するかについて検証している。具体的には、資本コストおよび利益公表後ドリフトに焦点を合わせて分析している。予備的な分析の結果、統合報告の導入は、資本コストの上昇と関連していることが示された。利益公表後ドリフトへの影響については、現在のところ一貫した結果は得られていない。統合報告は外部の情報環境の改善に資することが期待されている。しかしながら、現在得られている結果は統合報告の導入が外部の情報環境を必ずしも改善していないことを示唆しており、先行研究で得られた分析結果とも整合していない。現在はこれらの分析結果を精査するとともに、なぜこのような結果が観察されるのか、メカニズムの解明を図るべくより精緻な分析を行いさらなる検証を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
統合報告導入の経済的影響に関する検証を進めており、研究成果の公開も進みつつある。ただ、COVID-19の流行に伴い、当初予定していた学会出張等が困難となった結果、旅費等の執行に一部支障が生じている。今年度は学会出張等も実施可能であると見込まれており、研究計画の大幅な修正は必要ないと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、学会報告等を通じて既に実施している分析の精緻化および研究成果の公表を進める。とりわけ、外部者の利用可能な情報への影響については利益公表後ドリフト(PEAD)および資本コストに関する分析を引き続き進めることを予定している。また、内部意思決定への影響については、租税回避行動に注目して分析する。
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