Project/Area Number |
20K14756
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 21030:Measurement engineering-related
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
西 恵理 摂南大学, 理工学部, 准教授 (80757435)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 乳児 / 吸啜 / 舌運動 / 舌モデル / 搾乳器 / 計測 / 哺乳 / 運動メカニズム |
Outline of Research at the Start |
女性の社会進出と母乳育児推進の観点から、安心安全な搾乳器が求められている。市販されている搾乳器は、その搾乳機構が乳児の「吸い方(吸啜)」にみられる舌の自然な動きと異なるため、搾乳時に母体に苦痛を与えるなどの問題を有している。本研究では、感圧センサを配した手袋型センサデバイスを用いて乳児の吸啜時の舌の力を計測し、その結果と従来研究の人工乳首内蔵型片持ち梁センサを用いて解明された知見とを融合し、乳児の吸啜メカニズムの詳細を解明する。さらに、母乳摂取動作に関与する最適な舌運動モデルを構築し、母体に優しい新たな搾乳器実現への基本仕様を確立することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
女性の社会進出と母乳育児推進の観点から,安心安全な搾乳器が求められている。市販されている搾乳器は,その搾乳機構が乳児の「吸い方(吸啜)」にみられる舌の自然な動きと異なるため,搾乳時に母体に苦痛を与えるなどの問題を有している。本研究では,感圧センサを配した手袋型センサデバイスを用いて乳児の吸啜時の舌の力を計測し,その結果と従来研究の人工乳首内蔵型片持ち梁センサを用いて解明された知見とを融合し,乳児の吸啜メカニズムの詳細を解明する。さらに,母乳摂取動作に関与する最適な舌運動モデルを構築し,母体に優しい新たな搾乳器実現への基本仕様を確立することを目的とする。舌運動モデルを機能の一部とする口腔内モデルの確立が目指すべき搾乳器の実現につながると考え,課題に取り組んだ。 2022年度における課題は(1)精度および信頼性の高い口腔内モデルを実現するため,乳児の実口腔で計測した舌運動データの収集(2)搾乳器の構築を目指した口腔内モデルの小型化であった。(1)に関してはCOVID19の影響で当初想定の被験児数確保ができず,2022年度においても実際の乳児に対する計測ができなかった。(2)に関して,昨年度作製した口腔内モデルを用いた搾乳器を作製するにあたり,舌部の形状変更および口腔内陰圧の形成が重要であることが明らかとなった。そこで,これまで乳児を対象に計測した約100例のデータから得られた出力波形が正弦波形に類似することを見出し,力点部をモータで回転させるだけで実乳児の舌運動と同様の出力波形を再現できる力点部(舌部)を構築した。また,口腔内陰圧を調整できるようにレゴ(アールマーク)マインドストーム(アールマーク)EV3を用いたピストン機関構造を作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度における(1)精度および信頼性の高い口腔内モデルを実現するための乳児の実口腔で計測した舌運動データの収集について,COVID19の影響で乳児に対する計測ができなかった。さらに(2)搾乳器の構築を目指した口腔内モデルの小型化においては,昨年度に取り組んだ運動機構を実装するだけでは高い精度を実現できないことが分かり,新たに舌部の形状変更および口腔内陰圧の形成が重要な課題であることが明らかとなった。このような構造の見直しに関わる新たな課題を解決するために時間を費やした。また,現在乳児モデルの作製実績をもつテキサス大学の先生のもとに長期米国出張し,さらなる精度向上を目指して機械工学の分野からのアプローチを進めているところである。考案した口腔内モデルにおいては,電気学会論文誌Cを通じて論文で成果を報告した。口腔内モデルにおいて重要な要素となる力点部(舌部)の新たな形状の考案については,特許出願をおこなった。しかし,精度向上を目指して新たな課題に取り組んだこともあり,予定していた進度からはやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」に記したように,研究の進捗はやや遅れているが,必要が生じたための新たな課題解決が要因であるため,研究計画から逸脱している訳ではない。 2022年度の進捗方策と同様に,口腔内モデルの精度向上を実現した上で,搾乳器の完成を目指していく。そのために,2023年度はCOVID19の影響で中断していた実乳児における計測について再開する予定である。また,搾乳器については,舌運動の再現だけでなく,口腔内陰圧の形成も取り入れ,乳児の舌の自然な動きと同様に母体に優しい新たな搾乳器の開発を目指す。その後,小型化についても検討する。検討の過程においては,米国出張時に得た機械工学分野からのアプローチによる乳児モデルの知見も活用する予定である。
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