カプサイシン咳感受性を基軸としたCOPD患者の入院加療に関わるリスク因子の検討
Project/Area Number |
20K17220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Early-Career Scientists
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Basic Section 53030:Respiratory medicine-related
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
福光 研介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (40824248)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2020: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
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Keywords | COPD / 急性増悪 / 入院 / 肺炎 / カプサイシン咳感受性 |
Outline of Research at the Start |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者は感染や大気汚染などを契機に増悪を起こし、生命予後不良となるばかりか、時に入院加療が必要となり、医療費の高騰をもたらす。私たちはこれまでカプサイシン咳感受性(Cap)の亢進がCOPDの増悪に関与することや、肺炎を繰り返す患者群ではCapが低下していることを報告した。今回私たちはCOPD患者のCapの亢進と低下のいずれもが入院加療に関与する可能性があることに着目し、COPD患者の安定期のCapと、その後の前向き観察期間中に発症した入院加療を伴う増悪や肺炎との関係を解析することで、COPD患者が入院加療に至る因子を抽出し、COPD患者の予後改善や医療費抑制を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じる肺の炎症性疾患であり、近年患者数が増加傾向にある。COPD患者の入院は死因に直結するだけではなく、医療費高騰にも関わる喫緊の課題である。従って、COPD患者の入院加療に関わる因子を探索することは、COPD患者の予後の改善につながる可能性があるばかりか、医療費高騰の抑制にも貢献する可能性を秘めている。 我々のグループはこれまでに唐辛子の成分であるカプサイシンに対する咳感受性がCOPDの増悪と関連していることや、カプサイシン咳感受性の低下が肺炎の発症に関係していることを報告した。今回、我々は安定期のCOPD患者を対象に、カプサイシン咳感受性試験や肺機能検査、血液検査などを含めて評価した後、前向きに1年間経過観察し、入院加療の有無に分けて、COPD患者の入院加療に関わる因子を調査した。 本研究は名古屋市立大学病院(以下、当院)と静岡県立総合病院との共同研究であり、目標症例数は当院で100例、静岡県立総合病院で50例の予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、COPD患者の外来受診数が著しく減少したことに加えて、アストグラフを用いたカプサイシン咳感受性試験を行うことが難しくなったため、これ以上のエントリーは困難と判断し、目標症例数には達していないものの、両院合わせて80例でエントリーを終了した。 結果は経過観察期間中に8例が入院加療となった(急性増悪3例、肺炎5例)。入院加療を要した患者群では入院加療を必要としなかった患者群に比して、安定期の呼吸困難感が強く、末梢血好酸球数が高値であり、カプサイシン咳感受性が低下している傾向にあった。多変量解析の結果、カプサイシン咳感受性の低下と末梢血好酸球数高値がCOPD患者の入院加療に関わる独立したリスク因子であることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、COPDの外来患者数が減少したことに加えて、アストグラフを用いたカプサイシン咳感受性試験が行いにくくなったことから、目標症例数には達していないものの、これ以上の新規エントリーが期待できないと判断し、エントリーを終了した。しかし、現在のエントリー患者で解析を行い、論文化することができ、BMJ Open Resp Res 2023;10:e001283にacceptされたため、症例数は少ないものの、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究にエントリーしたCOPD患者のうち、入院加療を要した患者と入院加療を必要としなかった患者で、非特異的IgE値や黄色ブドウ球菌への感作の有無を比較検討する予定である。さらに、気腫型のCOPD患者と非気腫型のCOPD患者で入院加療を必要とした患者の割合の違いや、咳をはじめとした自覚症状の相違について検討する方針としている。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Decreased capsaicin cough reflex sensitivity predicts hospitalisation due to COPD2023
Author(s)
Yoshihiro Kanemitsu, Ryota Kurokawa, Taisuke Akamatsu, Kensuke Fukumitsu, Satoshi Fukuda, Yutaka Ito, Norihisa Takeda, Hirono Nishiyama, Keima Ito, Tomoko Tajiri, Yuta Mori, Takehiro Uemura, Hirotsugu Ohkubo, Masaya Takemura, Ken Maeno, Tetsuya Oguri, Toshihiro Shirai, Akio Niimi
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Journal Title
BMJ Open Respir Res
Volume: 10
Issue: 1
Pages: e001283-e001283
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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