Project/Area Number |
20K20520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Pioneering)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 12:Analysis, applied mathematics, and related fields
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
國府 寛司 京都大学, 理学研究科, 教授 (50202057)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 淑子 京都大学, 理学研究科, 教授 (10183857)
青柳 富誌生 京都大学, 情報学研究科, 教授 (90252486)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥26,000,000 (Direct Cost: ¥20,000,000、Indirect Cost: ¥6,000,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2020: ¥7,150,000 (Direct Cost: ¥5,500,000、Indirect Cost: ¥1,650,000)
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Keywords | 力学系 / リズム / 時空間ダイナミクス / データ駆動 / モデルフリー |
Outline of Research at the Start |
現象のダイナミクスの研究では数理モデルに基づく解析手法が有効だが,妥当な根拠に基づくモデルの構築が困難な場合には,無理にモデルを立てても却ってその後の解析を誤った方向に導く怖れも大きい.その場合には,実験や観測で得られるデータから直接的にダイナミクスの数理的記述を行う手法や,現象の背後に潜む本質的構造だけに依存する普遍構造をデータから直接推定する方法の開拓が望まれる.本研究は,発生生物学研究の中で実験的に発見された腸の蠕動運動に関わる未知の時空間ダイナミクスの問題を題材に,力学系理論に基づくモデルフリーの新手法の開拓により,直接的データ駆動型の時空間ダイナミクス研究のブレークスルーを狙う.
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Outline of Annual Research Achievements |
[時空間ダイナミクスの全構造計算法] 昨年度に引き続き、遺伝子制御ネットワークの数理モデルであるスイッチング系のダイナミクス全構造計算法の研究を進めた。これに関連して、力学系のモース分解がパラメータ変動により継続しない場合のモース分解の変化を捉える方法について研究した。また、リザバー計算と呼ばれる回帰的ニューラルネットワークに基づく機械学習法による時系列データからのダイナミクス推定が成功する数学的メカニズムの研究も継続した。 [時空間リズムダイナミクスの実験的研究] ニワトリ胚後腸より調整した細胞を用いて腸収縮オーガノイドを作製した。このオーガノイドは、内部がカハールの介在細胞(ICC)で、また外部が平滑筋によって構成されていた。GCaMPを用いたCa2+シグナルを指標に解析したところ、ICCと平滑筋の間には密接な細胞間相互作用が認められ、これらはギャップジャンクションによって制御されていることがわかった。この新規オーガノイドは、腸蠕動運動におけるICCと平滑筋間の細胞間コミュニケーションを高解像度で解析できる有用なモデルになる。 [普遍位相振動子結合系の時空間相互作用の推定] 動物行動データの解析に注力し、カエルの鳴き声のリズム間相互作用をカエルロボットを用いた操作的実験により再現した結果、予想外の臨界的な相互作用関数が推定され、カエルのコミュニケーション戦略解明に貢献した新規性のある成果を得た。また人間の歩行運動データを分析し、歩行リズムと脚と体幹の非自明な相互作用を発見した。さらに海洋気象データや生体膜の解析を念頭に,偏微分方程式に基づく予備的数値データ解析を行い、観測点の空間的位置が精度に大きく影響すること、および等位相面からのずれが精度に寄与することを明らかにした。これらは、時間と空間をまたぐ位相相互作用関数の推定手法開発に向けた実用的な理論的基盤構築の基礎となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスパンデミックの5類移行により国内外での研究活動はようやく活発になり、本研究においても対面での研究発表や研究交流の機会が急激に増え、研究は順調に進展しているが、当初の予定の遅れは完全に取り戻せているとはいえない。しかし良い研究成果が出始めており、研究期間を1年延長させることで、当初の目標に到達できるところまで来ていると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間を1年延長してコロナ禍による研究の遅れを取り戻し、各課題における研究成果をとりまとめて、研究目標の達成を目指す。
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