Research of Art-Based Dialogue in terms of Polyphony of Public Sphere
Project/Area Number |
20K20686
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 1:Philosophy, art, and related fields
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
佐々木 陽子 南山大学, 外国語教育センター, 准教授 (40274732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木戸 衛一 大阪大学, 大学院国際公共政策研究科, 招へい教授 (70204930)
山本 桃子 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸企画部, アソシエイトフェロー (20779110)
村岡 敬明 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (90746976)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 公共圏 / 他者 / 対話 / 芸術 / パレスチナ / 在日朝鮮人 / コミュニティ / まちづくり / 和解 |
Outline of Research at the Start |
「歴史の和解」は往々にして国家主体の課題とされ、個々人の内面における記憶の継承や、対話、内的ダイアローグの生起や影響が軽視される傾向にあった。本研究は国家の枠組みでとらえられがちな歴史和解を、「人の和解」という点から問い直すものである。「他者」の声が立ち現れ、感情や記憶に訴えかける多声(ポリフォニー)が形成され、対話(ダイアローグ)が生まれる場として複数の「芸術」の現場をフィールドと定め、そこでの多声と公共圏形成の過程を分析する。インタビュー調査やPAC分析法など複数の調査手法を用い、芸術の現場で起こる対話と和解を探り、それによって「国家の和解」に対峙する「人の和解」のダイナミズムを模索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、他者が立ち現れる場(公共圏)として、芸術の創造、鑑賞、参加の現場に注目し、さらに他者との対話が困難になりがちな現場である「紛争/歴史を超える対話と和解」をテーマとしている。当初から国際問題を扱う予定であったが、コロナ元年から研究課題が始まったため初期には早期に状況が変化することを想定し約1年ほど待機期間となってしまった。二年目を経て状況が変わらないことを前提に、国内フィールドを探した結果、京都市での地域芸術のフィールドにて研究を行うこととし昨年度までに基礎調査を行った。また今年度2023年5月7日をもって再び大きく変化したコロナ緩和を受けて、国際フィールドについても盛り込む方向で再調整した。 具体的には①の国内フィールドについては、京都市における多文化共生の街づくりの成果でもある「東九条マダン」という祭および「空の下の写真展」を対象として、そこでの参与観察と聞き取り調査を木戸と佐々木が実施し、そのインタビュー書き起こし作業を行った(8月~2月)。②の国際フィールドについては、歴史課題に対する対話をテーマに、山本によりオーストラリアへのミュージアム訪問(8月)、木戸により韓国ソウルへのミュージアム訪問(11月)が、それぞれ行われた。またパレスチナとイスラエルの共生をテーマとしたシンポジウムを開催すべく準備(11月-1月)をおこなったうえで実施(1月・早稲田大学)し、シンポジウム内容のとりまとめと文章化(2-3月)を行った。 最後に①国内、②国際の二つの研究フィールドの交叉として、ウトロミュージアムでのシンポジウムを開催した(3月)。これらの成果分析については最終年度に文章化・学会発表が予定されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
なんとかコロナ影響を脱して、順調に進んでいると考えている。とくに国際フィールドとしてガザ問題が2023年10月7日から急変したことによって、完全に渡航を前提としない形で、国内の中で「他者を顕在化する手法」としてシンポジウムの開催を行ったところ、京都市とガザという点で共通項ができた点は、逆にコロナの影響による想定外の展開である。これらをうけて最終年度に向けて、順調な形に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、①国内フィールドに関してはインタビュー調査の内容をとりまとめることで完成する予定である。②国際フィールドに関しては写真及び絵画を用いた「芸術を介在した他者との邂逅・対話的な関わり」の設営にて、他者がどこまで真に迫って「対話的な関わり」を形成しうるのかについて、そこでの参加者反応をとりまとめる予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)