過去の速記原本を可読化するための日本語速記史の研究
Project/Area Number |
20K20698
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
Medium-sized Section 2:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡島 昭浩 大阪大学, 文学研究科, 教授 (50194345)
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Project Period (FY) |
2020-07-30 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2020: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 速記 / 速記符号 / 速記文字 / 反訳 / 整文 / 速記方式 / 日本語音の用法 / 速記術 |
Outline of Research at the Start |
従来、速記原本の解読は、速記を行った当人によってのみ行われることであった。速記原本を目にしても、どの速記方式によるかの認定法などは考えられてこなかった。それを認定する方法を確立し、解読に繋げようというのが本研究である。 歴史的価値のある速記原本が存在しても、速記から年月が経過し、さらに 速記者当人が亡くなると解読は困難となるが、不可能ではないことが示せれば、貴重な資料である速記原本の死蔵・廃棄を抑止する効果がある。 また、速記原本や速記教本類を系統的に収集整理することは、いわば速記のロゼッタストーンを残すことになるものであり、しかも、それ自体に解読の鍵を含ませたものともなるのである。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度の成果としての論集・資料集を、8月になって刊行することが出来、諸方面に配付することが出来た。内容は以下のようである。 「日本語速記法の成り立ちと類型(一)」兼子次生[ほか]、「発言記録作成に関わる実務上の課題」山崎恵喜、「複数の語形を表す《略字》について」アルベケル・アンドラーシ、「速記における母音表記のさまざまなあり方の研究と一つの試み」小谷征勝、「第1回関学速研の歴史レポート」桑原みなみ、「速記図書(明治期)中間報告」荒木章、「速記関連資料目録(岡島収集分)」河野光将・市地英 紙媒体のほかに、ホームページ上にも公開したが、送付した方々などから、さまざまな情報が寄せられた。コロナ禍がやや収まりを見せた10月には、関西学院大学の速記研究会の創始者の方に、インタビューを行うことが出来た。大阪の高校の頃から、速記を行って居た人で、かつて盛んであった高校・大学での速記研究会の状況、また関西における速記関連の状況についても知ることが出来た。 入手した速記関連の資料について、目次などを入力し、比較的、珍しいものであれば全体を写真撮影して、著作権上の問題がないものについて公開することも行うことが出来た。 また、日本語の音の用法の研究について、進めることが出来た。たとえば、語頭音の分布について、諸辞書・語彙集を比較することで、対象とする分野の違いにより語頭音の分布状況が変わることを見出すことが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で、資料を所有している場所に調査に行けない、という問題があるし、談話を取りたい人と対面しての調査が難しい状況にもある。談話を取りたい人が、或る程度年齢が高い人が多いので、オンライン調査も容易ではない、という問題がある。研究協力者の人々も、年齢層が高く、ミーティングや研究会をオンラインで行うことが難しい、という問題もある。 前年度は、「日本の古本屋」などのオンライン古書店で、速記法の書物などを或る程度多く、収集することが出来、データを収集することが出来たが、当該年度は、入手可能な書籍の数が少なくなったようで、前年度に纏めて購入したことにより、物が少なくなるとともに、古書店の値付けが上がったのかも知れない。そのために、書誌を取ったり、撮影したりする書籍が少なくなった。
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Strategy for Future Research Activity |
国会図書館のデジタルコレクションが5月中旬から拡大される予定で、これまでは図書館に行って専用端末で見る必要があった資料が、どの端末からでも見ることが出来るようになる。速記関係資料も、多く公開されることが判明しているので、これらの資料の調査を行って行く予定である。 もちろん、資料を持っている機関が調査を受け入れるような状況になれば、そこに出向いて、調査を行いたいし、話を聞きに伺える人と面談が可能になれば、聞き取り調査を行いたい。 音の用法の研究については、語頭音の分布だけではなく、語末音の分布を研究して行く予定であるし、音と音の組み合わせの分布状況についても調査したい。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)