アンドレ・ブルトンにおける1940年代以降の自動記述の視覚的・造形的性質
Project/Area Number |
20K21988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Review Section |
0102:Literature, linguistics, and related fields
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
中田 健太郎 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 講師 (90727736)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2020: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | シュルレアリスム / オートマティスム / アンドレ・ブルトン / 自動記述 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、シュルレアリスムの詩人アンドレ・ブルトンにおける、1940年代以降の自動記述(オートマティスムにもとづく詩的実践)を主題とする。40年代以降のブルトンの自動記述作品にみられる視覚的・造形的性質は、ブルトンが美術批評において展開した「絶対的オートマティスム」論の範疇から再評価できるのではないか。この仮説にもとづいて本研究は、ブルトンの40年代以降の自動記述作品と、同時期のシュルレアリスムにおけるオートマティスムの言説について、調査・分析を行う。その作業をとおして、40年代以降のオートマティスム論にたいする理解を、言語と造形の双方の文脈の交点において更新することが研究目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、シュルレアリスムを主導した詩人アンドレ・ブルトンの、1940年代以降の自動記述(オートマティスムによる詩的実践、エクリチュール・オートマティック)作品を主たる対象として、その視覚的・造形的性質について検討するものである。そのような検討をとおして、ブルトンのオートマティスム論の特質を再検証することも、本研究の目的である。 新型コロナウイルスの感染拡大の影響のもと研究計画が延長され、三年目となった2022年度には、ひきつづき自動記述関連資料の収集・調査をおこなった。その成果を活かしながら、ブルトンの自動記述作品(『磁場』)の翻訳作業をすすめ、またその解説を執筆している。さらに、代表的な自動記述論集として知られてきた、『夢の砂のなかには風を掬うシャベルが』(Une pelle au vent dans les sables du reve, 1998)の翻訳作業も、並行してすすめている。後者の翻訳作業は、自動記述をめぐる研究状況の確認・整理の機会ともなっている。 また、1940年代以降の自動記述における視覚性・造形性についての検討をおこなうため、第二次世界大戦以降の芸術にかんする調査・研究もすすめている。その研究は、『マンガメディア文化論 フレームを越えて生きる方法』(鈴木雅雄・中田健太郎編、2022年)の編集作業にも活かされた。同書は、本研究計画が直接企図したものではないが、シュルレアリスム以降の芸術の視覚性・造形性をめぐる研究の一環をなすものとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度実施した講演「マンガにおける文学、あるいはマンガとしての文学」の内容の論文化に遅れが生じるなど、論文発表は予定どおりには実現していない。また、自動記述にかんする翻訳作業も、当初の予定より遅れている。上記理由のため、本研究計画を、再度一年間延長することとした。
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Strategy for Future Research Activity |
講演「マンガにおける文学、あるいはマンガとしての文学」の内容を論文としてまとめ、公刊する。また、自動記述にかんする現時点での調査・研究を、翻訳・解説のかたちで公表する予定である。 以上の成果を踏まえ、自動記述の視覚的・造形的性質について総括する論考を、2023年度内に完成させることを目標とする。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)