Project/Area Number |
21654013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General mathematics (including Probability theory/Statistical mathematics)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
小俣 正朗 金沢大学, 数物科学系, 教授 (20214223)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,900,000 (Direct Cost: ¥2,900,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 数値解析 / 衝突 / 剥離 / 変分問題 / 自由境界 / 血管構造 / 自由境界問題 / 体積保存問題 / 連成解析 / 人体内動力学 |
Research Abstract |
本研究は血管、頭蓋内部の力学的構造解析を行うことを目標としていた。人体パーツを膜、流体、多孔体、弾性体などに粗視化・分解し、それらが相互に接着している構造としてとらえ、力学的刺激に対する応答を調べ得るモデルを構築することを目指した。衝突・剥離を数学的に扱う場合、双曲型自由境界問題が出現する点に特徴がある。研究の始めとして双曲型自由境界問題と放物型自由境界問題の理論作りに注力し解の存在定理や数値解析方法についていくつかの結果を得た。これをキーにして連続体力学などと連成することにより複雑な内部構造を持つパーツの力学的解析を行う方向へと研究を広めた。 流体力学では粒子法についての改良を行った。粒子の運動エネルギーが数値粘性などでロスする分をストカステックな擾乱を加えることで回避した方法論である。現在プレプリントにまとめ発表準備中である。また、連成解析には変分法に基づく離散勾配流法を用いることを検討してきたが、この方法によって体積保存問題の解を構成することに成功し数値解析例を得た。これも発表準備中である。さらに、自由境界がある場合の取り扱いにもある程度の成功を収めた(近似解の存在と数値解法の有効性を確かめた)。時間依存する力学的関係を満たす自由境界条件は動的となり数学的取り扱いが難しかったがこの方向性もつけることができた。 数学的視点に立つと、本研究は解に特異点を含む諸問題、その中でも問題の特性から考えて特異点が本質的な意味を持つ衝突・剥離現象の解の挙動に焦点を当てて、その時間発展問題を総合的に取り扱うこと方向性を示したといえる。
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