Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Research Abstract |
本年度は,長さ3mの液体シンチレータ容器を作成し,液体シンチレータ中のキセノンの飽和濃度と液深さの相関を調べた.その結果,キセノンの濃度と液体シンチレータの高さに依存せず,一様な濃度となることが分かった.この結果は,液体シンチレータ中にキセノンを溶解させた,二重ベータ崩壊実験(カムランド-ZEN実験)で,標的となるキセノンが均一に分布することを示しており,カムランド-ZEN実験で、濃度依存性に関わる系統誤差の1つを無視してよいことを示したもので,重要なデータとなった.更に,液体シンチレータ中のキセノンの飽和溶解度の温度依存性,圧力依存性を調べ,その結果をまとめた.これは,カムランド-ZEN実験で,実際にキセノンを溶解する際に,出来るだけ多くキセノンを溶解して標的数を増やしたいという要求と,飽和溶液が発泡して,検出器のパフォーマンスの劣化,特に光透過度の低下の危険性という,実際上の問題点を解決するデータである. また,外部から加圧可能な,石英窓付き容器を作成し,液体シンチレータ中のキセノン濃度を常圧下以上に増加させ,キセノン濃度と液体シンチレータの発光量の相関を調べた.その結果,キセノン濃度が増加するにつれ,発光量が徐々に減少することが分かった.しかしこの光量の減少は,液体シンチレータ中に混合する第一発光溶質の濃度を調整することで補償出来ることが分かった.この測定では,加圧下のキセノン濃度を測定する際,常圧下ではキセノンが発泡してしまうため,直接にキセノン濃度を測定することが出来ない為,キセノン濃度と液体シンチレータ密度との間に相関があることを利用して測定したのであるが,キセノン量に対する液体シンチレータの体積膨張率∇V/∇Xを精密に測定し,これを実行した.
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