イオン液体中へのスパッタにより調製した複合遷移金属ナノ粒子の触媒機能
Project/Area Number |
21655034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三浦 雅博 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20183626)
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
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Keywords | 合成化学 / イオン液体 / ナノ粒子触媒 / クロスカップリング |
Research Abstract |
遷移金属錯体触媒を用いる炭素-炭素結合形成反応は有機合成上極めて有用であり現在広範に利用されている。一方近年、錯体系ではなくパラジウムや金等のコロイド状ナノ金属種が触媒活性を示す反応例が数多く報告され、ナノ粒子触媒の調製研究が、国内外で活発になされるようになってきた。このような背景のもと、本研究では、当該分野での新規方法論の開発を目指した。すなわち、従来の金属塩還元や高温熱分解ではなく、常温・真空下、環境調和型溶媒としてのイオン液体中へのスパッタにより遷移金属ナノ粒子を調製し、その触媒機能の調査を行った。その結果、ブチルメチルイミダゾリウム(BMI)系イオン液体中に調製したパラジムナノ粒子が水単独溶媒中におけるSuzuki-Miyauraカップリング反応に対し良好な活性を示すことを見出した。ここでは、イオン液体の対アニオンならびに添加する塩基の選択が高い活性発現のために重要であることがわかった。すなわち、対アニオンとしてヘキサフルオロホスフェート(PF6)およびビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TFSI)のいずれも用いることができるが、後者と炭酸セシウムの組み合わせがより高い生成物収率を与えた。なお、BMI-PF6およびBMI-TFSI中で調製したパラジウムナノ粒子の平均直径はそれぞれ3.0および2.2nmであった。興味深いことに臭化アリールを用いた場合、窒素下よりも空気下でより高い活性が得られた。一方、パラジウムと金との合金化を施したナノ粒子では活性が低下する傾向が見られた。本法で調製したパラジウムナノ粒子は、炭素-水素結合置換型のMizoroki-Heck反応やSonogashiraカップリングにも良好な活性を示した。これらの反応は、Suzuki-Miuauraカップリング反応の場合とは対照的に、水中よりも非プロトン性極性有機溶媒中で効果的に進行した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)