Project/Area Number |
21655060
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
長澤 和夫 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 教授 (10247223)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | G-quadruplex / 蛍光プローブ / ポリオキサゾール / テロメスタチン / 動的挙動 / テロメア |
Research Abstract |
細胞内では、転写因子と呼ばれるタンパク質により転写が制御されている。これにより様々なタンパク質が合成され、複雑な生命活動が維持される。しかしごく最近、核酸塩基の特異な3次元構造であるグアニン四重鎖(G4)が「直接的に」遺伝子の転写を制御する、新たな調節機構が提唱された。この転写調節機構の詳細な解析は、新たな生命現象の理解につながる。G4の転写調節機能の解析を行うには、一本鎖G4が持つ特異な3次元構造を普遍的に検出し、かつ通常の二本鎖DNAと区別する手法が必要となる。そこで本研究では、従来法では困難であったG4構造の検出法を開発するため、G4を選択的に認識し安定化する蛍光化合物(蛍光G4リガンド)を有機合成化学的なアプローチにより創製することを計画した。これまでに開発した蛍光G4リガンドを用い、今年度はその機能評価を電気泳動法、蛍光偏光法により行った。その結果、電気泳動法により当該化合物は既知のG4配列(telomere,c-myc,c-kit,bcl-2等)に強力に結合し、一本鎖非G4、二本鎖DNAには全く結合しないことが分かった。さらに蛍光偏光法により評価したところ、当該化合物は既知のG4配列へ解離定数10nMで結合していることも明らかとなった。当該化合物は無細胞系で選択的にG4を検出できることがわかったので、次にこれを用いた細胞内G4の可視化を検討した。すなわち、細胞内のG4の局在部位を確認することを目的に、細胞を当該化合物にて処理し細胞を固定化した後に蛍光像を観察した。その結果、当該化合物は核内に移行していることが明らかとなり、特にrRNAの生合成が行われている核小体に局在が集中していることが明らかとなった。rRNAの生合成はシスプラチン,5-FU等の既存の抗がん剤の標的であることから、今後rDNA上でのG4形成の確認について検討を行う。
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