Project/Area Number |
21656010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Thin film/Surface and interfacial physical properties
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
松本 祐司 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (60302981)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | イオン液体 / 薄膜 / アルカリハライド |
Research Abstract |
本研究課題では、研究代表者がこれまで開発に従事してきた真空下で安定に存在する液体フラックスを用いた真空製膜法であるフラックスエヒタキシー法を酸化物薄膜ばかりでなく、アルカリハライド固体材料に応用するため、以下の研究内容を通じて,イオン液体を介したエヒタキシャルアルカリハライド薄膜の新フロセスの確立を目的としている。平成22年度は以下の研究項目を実施した。 (イオン液体を介したKBr(111)薄膜の作製) イオン液体を予め蒸着したサファイア基板上にKBrを赤外レーザーで蒸着した。サファイアの基板方位によらず、室温では、逆に結晶成長が阻害される傾向にあったが、基板温度を上げると、結晶性がよくなることがわかった。また、AFM観察から、c面サファイア基板上では、イオン液体を介すことで、KBr(111)面がよりよく成長し、かつ極性面による不安定性にもかかわらず、(111)面がnanoレベルで平坦化されたエヒタキシャルKBr結晶が得られることがわかった。KBrの成長後、試料をUHV-レーザー顕微鏡に移し、顕微鏡で観察しながら、真空中で加熱したところ、300℃付近で完全にイオン液体のみが蒸発し、KBr微結晶の輪郭がはっきりする様子を確認した。イオン液体除去後の試料の再度AFM観察を行ったところ、加熱したにもかかわらず、(100)面のファセットは生じず、安定な(111)面が保持されているのを確認した。以上の結果から、イオン液体を介することで、これまで困難であった、ナノレベルで平坦な(111)面を持つアルカリハライドエヒタキシャル薄膜の作製が可能であることが明らかになった。本成果は、ACSのCryst.&Growth Des.で発表するとともに、掲載号の表紙にもなった。
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