Project/Area Number |
21656197
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Properties in chemical engineering process/Transfer operation/Unit operation
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高羽 洋充 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80302769)
|
Project Period (FY) |
2009 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 陽電子消滅法 / ポジトロン・ポジトロニウム / 計算化学 / 電子密度分布 / 分離膜 / 経路積分モンテカルロ法 / 陽電子寿命減衰曲線 / ミクロ細孔 |
Research Abstract |
本年度は、研究目的である陽電子消滅法シミュレータの開発について以下の成果を得た。 平成21年度に開発した陽電子消滅法シミュレータについて、(1)電子密度分布の高速量子計算モジュール、(2)電子密度分布から細孔分布を可視化して容積を計算するモジュール、(3)陽電子ダイナミクスの計算モジュール、(4)陽電子寿命曲線計算および細孔径分布計算モジュール、を改良し精度の向上と操作性の向上を図った。また平成22年度の目的の一つであった実証試験として高分子分離膜系を対象としてを選択し、開発したシミュレータの適用を行った。実証試験では、膜モデルとして芳香族系ポリアミドの3量体3鎖からなる構造を、分子動力学法を用いて所定の密度になるようにアモルファス化することで作成した。この構造にシミュレータを適用し、ポジトロニウム(Ps)の寿命を算出した。シミュレータから得られた計算値は、実測値とほぼ同じオーダーであり、細孔径分布の実測値を良好に再現出来ることを確認した。また、膜密度を変化させた高分子膜も作成し、同様の寿命予測シミュレーションれを行った。その結果、膜密度の変化に伴い細孔径分布が変化し、その結果がPs寿命に反映されることを確認した。ここで開発した陽電子消滅法シミュレータを活用することで,陽電子消滅法の測定結果を詳細な構造モデルと対比させて議論することが可能となるとともに、分離膜のような微細孔をもつ材料のミクロ構造の妥当性を検証するためのモデリング技術としての利用が期待される。
|