Project/Area Number |
21658038
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Research Category |
Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻 融 慶應義塾大学, 先導研究センター, 講師 (40348850)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 蛋白質工学 / 生体材料 / ハイドロキシアパタイト / 環境低負荷材料合成 / 進化分子工学 / 結晶成長 / セルロース / バイオマス / 環境低負荷 / 有機無機複合材料 |
Research Abstract |
骨はコラーゲン線維とHA微結晶のナノ複合構造材料である。本研究では、『タンパク質がもつ無機結晶の結晶成長制御力』を利用し、ハイドロキシアパタイト(HA)含有生体材料の、生物学的・力学的性質の制御を試みることを目標としている。その際に、セルロースなどのバイオマスをコラーゲンの代わりに有機基質として用い、環境負荷が少ない材料構築の開発を試みる。HA結晶はa面とc面をもつ(a面は六角柱の側面、c面は底面に相当する)。それらは、異なる原子配列をもち、異なるタンパク質と相互作用する。したがって、異なる形態をもつHA結晶は、細胞が分泌する異なるタンパク質と相互作用し、細胞の増殖や分化の様式に異なる影響を与える。特定の結晶面に吸着する分子は、その結晶面の成長速度を変化させ、結晶の形態を変化させる。mRNA display法と呼ばれるバイオテクノロジーを用いると、結晶面に特異的に結合するペプチドを取得できる可能性がある。本研究では、c面を主に露出したHAペレットを用いて、c面に特異的に結合するペプチドの取得を試みた。20種類程度のペプチドが取得された。これらのペプチドの中で、共通のアミノ酸配列(3から5残基程度)を有している6種のペプチドに着目した。これらはいずれもHA結晶の形成を促進したり、あるいは抑制する機能をもつことが確認された。中でも一種類のペプチドはHAのa面にはほとんど吸着せず、c面にのみ吸着することが確認された。このペプチド存在下で生成するHA結晶の形態が変化することが期待される。また、セルロース結合ペプチドとHA形成を促進するペプチドを併せもつ人工蛋白質のコンビナトリアルライブラリーを作製した。得られた蛋白質とペプチドを用いて、形態の異なるHAとセルロースを複合させることが可能となった。
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