Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
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Research Abstract |
悪性黒色腫は転移を生じやすい極めて悪性度の高い皮膚腫瘍である。従来、悪性腫瘍に対してホストが起こす炎症は、腫瘍の拒絶および縮小に作用すると考えられてきたが、IL-1を中心とした炎症が、むしろ腫瘍の増殖や転移を促進するという知見が蓄積されつつあある。我々は悪性黒色腫の転移にIL-1βが何らかの役割を担うのであれば、IL-1βの活性化に関わるインフラマソームが何らかの機能を果たすであろうと考え検討した。マウス悪性黒色腫細胞は,通常株であるB16および好転移株であるB16-F10細胞ともに,インフラマソームの構成成分であるNLRP3,これに会合するASC,caspase-1を発現していた。ただし,予想に反して,インフラマソーム構成成分の発現は,好転移株であるB16-F10細胞に比して通常株であるB16において高発現していた。IL-1βの発現に関しては,LPS処理によってその発現が増強することが確認された。さらに,インフラマソームのシグナル伝達に関わるASCの発現を制御するためのプラスミドを作成し,遺伝子導入によって安定発現株を樹立する系を確立した。悪性黒色腫の転移にインフラマソームを介したIL-1βの活性化が機能を果たすのかという検討に際して,研究の萌芽という観点からは,今後の解析の基盤となる一定の成果を上げることができたと考えている。
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