Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
研究代表者はLolium属植物を用いた研究で、植物の再生力が植物体における栄養器官への資源配分率と高い相関性を示すことを明らかにした。これを受け、本研究では植物の再生力を支配する遺伝機構の解明を目的に、イネ品種を用い植物体の資源配分様式を指標とした解析を行った。生殖器官への資源配分率が高いジャポニカ品種「しおかり」と栄養器官への資源配分率が高いインディカ品種「TepaI」のF3集団を用い、系統間の再生力(ひこ生え量)と資源配分様式との関係を調査した。しかしながら、集団内に低稔実系統が多数出現したため、資源配分様式の評価に支障が生じてしまった。そこで、現在世代を更新したF4集団、および同2品種を用いた戻し交雑集団をそれぞれ育成し、新たに解析を開始している。イネ8品種を用い、撹乱環境下における資源配分様式の変化とそれに伴うひこ生え量の変化を調査した。その結果、供試した品種内には、移植時に根の4/5を切除する撹乱を与えるごとで、その後の生長において栄養器官への資源配分率が高まる品種群と生殖器官に対する資源配分率が高まる品種群が存在することを見出した。なお、前者の品種群は撹乱を受けることにより、通常生育時よりひこ生え量が増加する傾向を示した。前者の品種群に含まれる「しおかり」と後者の品種群に含まれる「戦捷」を交配しF1個体を育成したところ、高い稔実性を示した。そこで、現在この個体よりF2集団を育成し、撹乱環境下における個体の資源配分様式の変化とひこ生え量との関係を調査している。
All 2009
All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results)
Grassland Science 55
Pages: 181-186
10027253544