網羅的遺伝子発現解析を用いた食道癌に対する化学療法の感受性予測診断に関する研究
Project/Area Number |
21791286
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Digestive surgery
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧野 知紀 Osaka University, 医学部附属病院, その他 (80528620)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2009: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 免疫組織染色 / RT-PCR / DNAマイクロアレイ / 蛋白発現解析 / 抗癌剤耐性 |
Research Abstract |
治療前食道癌生検サンプル25例のDNAマイクロアレイによる網羅的遺伝子解析データより、化学療法の奏効群と非奏効群との間での発現差から化学療法感受性に関与する候補遺伝子を16遺伝子同定した。それらの個々の遺伝子に着目し、免疫組織染色法による蛋白発現解析を中心とした方法でそれらの分子の治療前生検サンプルや切除サンプルにおける発現状況と予後、化学療法効果との相関を検討した。16遺伝子中2遺伝子(サイトケラチン8/18、DKK1)においては、これらの蛋白の高発現症例は低発現症例より有意に予後不良であり多変量解析でも独立予後因子となったことから、食道癌における有望な新規生物学的マーカーであり今後食道癌治療戦略に寄与しうる可能性も示唆された(それぞれ2009年に論文掲載)。また、このうちサイトケラチン18については治療前食道癌生検サンプルにおいて非奏効例は奏効例よりもサイトケラチン18の発現頻度が高く、また化学療法後の残存腫瘍にも高発現していたことから抗癌剤耐性への関与が示唆された。一方で、16遺伝子中の1つであるトランスポーターXについてはこれまで卵巣癌におけるCDDP耐性が報告されているが、今回食道扁平上皮癌細胞株を用いたin vitroでの解析においても、siRNAによる発現抑制実験より5-FU、CDDPにおいて細胞株の抗癌剤感受性が増強することが明らかになったことから食道癌においても抗癌剤耐性への関与が示唆された。なお、このトランスポーターXについてはその正常組織における発現状況(遺伝子多型の有無)が抗癌剤感受性や副作用の程度に関与するという報告がなされている。食道癌患者血清でのmRNA発現と化学療法効果・副作用を解析において、化学療法後の血清mRNA発現が治療前のそれよりも上昇傾向にあることを見出している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)