Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2011: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Research Abstract |
糖尿病を有するものに対する矯正治療を行う際の至適矯正力を設定することを目的とし、組織学的観点から検索を行った。本年度は歯の移動時における血管ネットワークおよびそれらの機能の検索を目的とした.streptzotocin誘発糖尿病ラット(Wistar系雄性10週齢)を糖尿病群,非糖尿病群に分けた後、至適矯正力を想定した6gおよび比較のためにHeavy forceとして設定した13gの力を用いて、第1臼歯の近心移動を7日間行った.EDTAによる脱灰後にパラファイン包埋を行い,咬合平面に平行に5μmの連続切片を作成,染色を行った.薄切は根分岐部より根尖側方向400μmから550μm,650μmから800μmで行い、根分岐部の歯槽骨頂部を中心に検索した.糖尿病および非糖尿病両群共に近心歯槽骨付近に硝子様変性組織が認められ,特に13gの機械的刺激を加えた群では,非糖尿病群および6gの糖尿病群に比して骨の吸収が強く認められた。免疫染色を行い、VEGFの発現を検索したところ、VEGFの発現は6g、13g群共に圧迫側歯槽骨周囲、歯根膜線維芽細胞、破骨細胞、血管内皮細胞等で強く認められた。一方、牽引側ではその発現は弱めであった。圧迫側では糖尿病群において硝子様変性組織の周囲で後毛細血管細静脈よりも径の大きな静脈が多くみられ牽引側では後毛細血管細静脈が比較的多く認められたが6gと13gの群間で有意な差は認められなかった。AGEの発現は実験群、対照群共に歯根膜線維芽細胞や血管群で明確には認められなかった。骨の吸収はHeavy forceを用いた群が顕著であったものの、血管の種類は形態的に6g、13gで大きな違いが認められなかったことから破骨細胞を誘導する際の血管系の機能に何らかの差違が存在したことが示唆されたと考える。
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