Research Project
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
近年、水素結合や配位結合等の弱い相互作用を巧みに用いてディスクリートな超分子構造を構築する手法が報告されており、さらに得られた超分子構造に由来する特徴的な機能・物性が見出されている。これまでに我々は、新規に合成した剛直な三日月型配位子とパラジウム等の金属イオンから、4つの大きな出入り口を有するM_2L_4型分子ナノカプセルが定量的に自己集合することを見出している。そこで本研究では、得られた超分子ナノカプセルを種々の方法によって連結・修飾することにより、分子カプセルの二次元・三次元配列構造、また複雑なトポロジー構造を有する高次集積構造を構築することを目指した。分子カプセルの内孔サイズと一致するゲスト分子は、カプセル内に効率的に包接される。一方、内孔サイズに収まらない大きなゲスト分子の場合では、外部でカプセル同士を連結することで、分子カプセルを一次元状に連結できることを見出した。さらに、光異性化部位を導入したゲスト分子の場合では、ゲスト包接カプセルに光照射することにより、分子形状が変化したゲストがカプセル外に放出され、カプセル分子を一次元状に規則配列させる「光結晶化」現象を見出した。一方、非常に嵩高いゲスト分子の場合でも、分子構造を精密にデザインすることで、カプセル内に巧みに包接することも可能である。例えば大きなゲスト分子にアニオン部位を適切に配置することにより、カブセルからゲスト分子がはみ出した特異なロタキサン型包接構造を形成することを明らかにした。さらに、ナノカプセルの金属イオンを変更することにより、ゲスト分子の包接・放出をpHによって自在に制御できることを見出した。
All 2010 2009
All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 4 results) Presentation (3 results)
Journal of the American Chemical Society
Volume: 132 Pages: 9973-9975
Chemistry A European Journal
Volume: 16(Online掲載確定)
Coordination Chemistry Review
Volume: 254 Pages: 2391-2402
Angew.Chem.Int.Ed. 48
Pages: 7010-7012