網羅性の高い薬物間相互作用の注意喚起およびマネジメント情報支援システムの構築
Project/Area Number |
21890045
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大野 能之 The University of Tokyo, 医学部附属病院, 助教 (40553699)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,652,000 (Direct Cost: ¥2,040,000、Indirect Cost: ¥612,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,261,000 (Direct Cost: ¥970,000、Indirect Cost: ¥291,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,391,000 (Direct Cost: ¥1,070,000、Indirect Cost: ¥321,000)
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Keywords | 薬物間相互作用 / シトクロムP450 / データベース |
Research Abstract |
【目的】申請者は既に薬物動態的相互作用の網羅的予測法を提唱し(Clin Pharmacokinet, 2007 ; 46 : 681, Clin Pharmacokinet, 2008 ; 47 : 669)、相互作用に基づく未報告の薬物体内動態の変動を予測する上では、薬物解毒における代謝酵素の寄与率決定が極めて重要であることを報告した。本申請研究では、重要な治療薬分野すべてについて、未報告の相互作用を含めて、動態変化の予測から臨床的に判断される重篤度を層別化して示し、網羅性の高い薬物間相互作用の注意喚起およびマネジメント情報支援システムを構築することを目的とした。 【方法】申請者らの薬物間相互作用の予測方法は、薬物代謝酵素ごとの基質薬への代謝寄与率(CR)と、阻害薬の阻害率(IR)を基本的情報としてin vivoの相互作用情報から算出し、これから併用した場合の薬物血中濃度AUCの上昇率を式1/(1-CRxIR)で予測するものである。CRおよびIRを算出のためのin vivoの相互作用情報が得られない場合、CRはin vitro実験から得られるCYPの代謝寄与率(fm)で予測可能であると考えられる。これに関しては多くの薬物で文献情報があることから、その情報を収集した。文献で得られない場合は必要に応じてヒト肝ミクロソームを用いたインキュベーション実験等により求めることで対象薬物の拡大を図った。以前にCYP3A4の基質、阻害薬を対象に、相互作用の臨床的重要性のクラス分類に用いたPISCS(Clin Pharmacokinet, 2009 ; 48 : 653)の基準を利用し、今回は3A4に加え1A2、2C8、2C9、2C19、2D6の選択的な基質と阻害薬/誘導薬を、相互作用の血中濃度変化の程度に基づき4段階に分類した。ただし、血中濃度変化の情報が得られていない基質でも、重篤な相互作用の報告がある薬剤などはその程度に応じて分類した。また、血中濃度変化が臨床上リスクにつながりやすい基質の薬効群を区別して示すことで、注意喚起すべき組合せを強調した。 【成果】基質100剤、阻害薬49剤、誘導薬16剤が選択され、これにより1799通りの相互作用の血中濃度変化の程度と臨床的重要性が評価可能となった。本結果は、それぞれの薬剤の添付文書等の情報に組み合せて用いることで、医薬品の適正使用に有用な示唆を与えるものと考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)