PI3キナーゼ阻害剤を用いた慢性アレルギー性皮膚炎発症の制御
Project/Area Number |
21890297
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Research Category |
Grant-in-Aid for Research Activity Start-up
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Dermatology
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
黒田 悦史 University of Occupational and Environmental Health, Japan, 医学部, 助教 (10299604)
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Project Period (FY) |
2009 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2010: ¥1,235,000 (Direct Cost: ¥950,000、Indirect Cost: ¥285,000)
Fiscal Year 2009: ¥1,365,000 (Direct Cost: ¥1,050,000、Indirect Cost: ¥315,000)
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Keywords | 好塩基球 / PI3キナーゼ経路 / IL-4 / IL-13 / IgE / PI3キナーゼ阻害剤 / アレルギー性炎症 / 皮膚炎 |
Research Abstract |
1)好塩基球機能を抑制するPI3キナーゼ阻害剤のスクリーニング 好塩基球は刺激によりアレルギー性炎症のメディエーターであるIL-4およびIL-13を産生する。そこで、刺激する際に種々のPI3キナーゼ阻害剤を添加し、メディエーター産生に与える影響について評価し、効果的にメディエーター産生を抑制する阻害剤をスクリーニングした。その結果、全てのアイソフォームのPI3キナーゼを阻害するLY294002と同様に、PI3キナーゼのαアイソフォームに対する阻害剤が強くメディエーター産生を抑制した。この結果より、好塩基球からのアレルギー性炎症のメディエーターの産生はPI3キナーゼのαアイソフォームの活性化を介していることがわかった。 2)慢性アレルギー性皮膚炎のモデルマウスの作成と、PI3キナーゼ阻害剤の効果についての検討PI3キナーゼ阻害剤のin vivoにおける抗アレルギー性炎症の効果について評価した。慢性アレルギー性皮膚炎のモデルマウスとして、TNP-特異的IgE抗体投与マウスを使用した。このモデルでは、抗原の投与により惹起される炎症反応は好塩基球依存的であることが明らかにされている。 ハイブリドーマから精製したTNP-特異的IgE抗体を静注によりマウスに投与し、24時間後に抗原であるTNP-OVAを耳翼皮下に注射した。3~4日目をピークに耳翼の腫脹が認められ、抗原を注射した部位にはリンパ球の浸潤が認められた。このモデルにおいてPI3キナーゼ阻害剤であるLY294002を5mg/kgで抗原の投与時から4日間連日腹腔内投与した。LY294002投与群では明らかに耳翼の腫脹が低下していた。 以上の結果からPI3キナーゼ阻害剤は好塩基球の活性化を抑えることでアレルギー性炎症を抑える効果を有していることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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