Research Abstract |
平成20年度より生活科に,保護者参加による少人数・体験型カリキュラム『附属っ子ミュニケーション"和み"大作戦!』(通称『和みカリキュラム』)を開発,展開している。実践においては,茶道や華道に関する保護者の経験や専門性を生かすことで,担任だけでは実現できなかった日本の伝統文化にリンクする子どもたちの体験の場を広げることができた。 そんな中,「校庭の草花を摘んでお花を生ける体験」では,自然そのものが教材となり,その特性や生活の場面を考える学びが生まれ,必要な分だけを摘んでお花飾りをするという,いわば自然への畏敬の念,また相手の心の和みを意識して工夫する子どもの姿が見られた。また,「日本の伝統文化・生活様式にふれる体験」では,普段の生活からは少し距離のあるおもてなし,手作り生活,花・茶道などの活動の継続により,子どもの意識の中では普段の生活との距離感が縮まり,家庭生活に活かす子どもの姿が見られた。さらには,「もっとおもてなしをしたい。」という,よい意味での『自己主張』『自己顕示』も芽生え,3学期には父兄や和みカリキュラムでお世話になった保護者の方々をお招きしてのお茶会を1・2年生全学級で開催することができ,子どもたち全員が自分で抹茶を点てることができた。できる自分を見てもらいたい・認めてもらいたい,そのために,おもてなしの対象に応じ,よりよいおもてなしの方法を主体的に考える,生活科としてのスキルを身につける学びの質の高まりも生まれた。これらは30人という少人数の学級規模だからこそ実現できたと実感している。もちろん結果として,日本の伝統文化への親しみと愛着が増し,子どもたちの日常生活の立ち居振る舞いにはこれまで以上の落ち着きを感じるし,挨拶や基本的な生活習慣・マナーの面においても向上が見られるようになった。
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