Project/Area Number |
21907025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅰ(文科系)
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
宮本 英征 Hiroshima University, 附属中・高等学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 行為理論 / ライフスタイル論 / 歴史学習 |
Research Abstract |
○研究目的…行為理論に基づく世界史単元構成のあり方の究明 時代ごとの人々の行為が社会制度として表象していることを明らかにできる、そして、より良い社会制度の形成のためにどのような行為を追究していけばよいかを考えることのできる世界史の単元構成を究明する。 ○研究方法…世界史導入単元の開発と単元構成の分析 家族社会学に基づく文献を参考にして、人々のライフスタイルと家族制度の相互関係の歴史的変遷とより良いライフスタイルの在り方について解明する。そして、世界史専門書により具体的に授業化する。その後、開発した授業を社会科教育専門書に基づいて分析し単元構成の特色を追究する。 ○研究成果…行為理論に基づく単元「ライフスタイルを考える」の開発とその構成原理の解明 (1)導入単元「ライフスタイルを考える」の開発 開発した導入単元は小単元1で、従来の家族制度が揺らぎ新しいライフスタイルを考えなければならないことを学習する。そして、より良いライフスタイルを考えるために明治時代のライフスタイルを小単元2で分析し、法制度化されたイエ制度により家父長を絶対視するようなライフスタイルが形成され、人々の日常生活における慣例や習慣が制度的に規範化されたことを解明する。小単元3では、太平洋戦争後にイエ制度を撤廃したが、1960年以降企業により核家族と男性を労働力とするライフスタイルが形成され、人々の日常生活における慣例や習慣が集団的に規範化されたことを分析する。これまで分析してきた規範化されたライフスタイルは、国家の都合が良いように家族を重視することを強制したものであることを小単元4で解明し、個人を重視するライフスタイルの可能性を考える。小単元5において、個人を重視するライフスタイルも踏まえて、さらに良いものを自分達で追究していかなければならないことを意識付けるものとなっている。 (2)導入単元「ライフスタイルを考える」の構成 単元は明治時代のイエ制度や昭和高度成長期の核家族におけるライフスタイルという歴史的構造を分析し、公的領域における慣例と私的領域における習慣という視点からより良いライフスタイルの社会的構造を生徒が構築していく構成となっている。その結果、本単元は歴史的個別的事実を手段化し社会認識を保証できるように、歴史を手段化する論理に基づく構造となっている。
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