Project/Area Number |
21908025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
教科教育学Ⅱ(理科系)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
原口 淳一 Kumamoto University, 教育学部附属小学校, 教諭
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2009: ¥420,000 (Direct Cost: ¥420,000)
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Keywords | 小学校理科 / ことば / 授業リフレクション |
Research Abstract |
本研究は、授業ビデオを使用したリフレクション(授業後の省察)の中から、児童の理科授業における「わかり方」や科学概念の形成と「ことば」との関係を明らかにすることを目的としており、理科授業中の児童の様子(発話・行動)を多く記録してデータ化するとともに、そのデータを質的に分析して、指導法の開発やカリキュラム開発に活かすことをねらいとしていることが特色である。 そこで、(1)理科授業における児童の発話のデータ化と分析、(2)認知心理学的アプローチによるデータ分析及び資料収集、(3)研究成果を活かした指導法開発、及び、カリキュラム開発などを中心に研究を進めた。特に、本年度は、小学校4年「空気と水の性質」友び「金属、水、空気と温度」におけて、空気に対する概念形成に関わる「ことば」に着目した。 研究の成果として、科学的用語と子どもたちの日常的な「ことば」の両方が理解に大きく関係していることが明らかになってきた。例えば、中学年においても空気の変化に対して「圧縮」「膨張」などの科学的用語を使う子どもが見られるとともに、粒子モデルを用いて説明しようとする子どももいた。しかしながら、その子どもたちが力や温度による空気が変化する様子を論理的にある程度正確なイメージをもつことができているとは限らなかった。反対に、空気の様子を人にたとえた「きゅうくつだ」「背伸びしている」「あばれている」といった「ことば」が、前述した科学的用語を説明し、多くめ子どもたちが納得する場面も見られた。つまり、必ずしも日常的な「ことば」→科学的用語という順に子どもたちが獲得していくわけではないということである。 これらのことから、学習を先取りした子どもたちの「ことば」も理解を深めるきっかけになることや、日常的な「ことば」の重要性を再確認するとともに、この両方のよさを生かした授業デザインが必要なことが今後の課題として明らかになった。
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