Project/Area Number |
21915019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
化学
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
塚本 潤子 Nara Institute of Science and Technology, 教育研究支援部研究協力課, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥370,000 (Direct Cost: ¥370,000)
Fiscal Year 2009: ¥370,000 (Direct Cost: ¥370,000)
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Keywords | 質量分析 / MALDI-TOF MS |
Research Abstract |
1.研究目的 マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析計(MALDI-TOF MS)を用いた測定において、測定サンプルの状態、すなわちマトリックスと目的サンプルを混合して結晶化させた状態が、測定感度・精度に影響を及ぼす。手動操作の場合ハンドリングの技量により結晶の形状に差が生じ、測定結果にも影響する。そこで経験の浅い学生が、精度良いスペクトルが得られるサンプル調整方法を検討した。 2.研究方法 複数のサンプル調整方法による結晶の状態(結晶の大きさ、分布)を観察し、感度・精度への影響を検討した。サンプル調整方法にはサンプルとマトリックスを混合し結晶化させる方法(A)、マトリックス薄膜結晶上でサンプルを結晶化させる方法(B)、マトリックス薄膜結晶上でサンプルとマトリックス混合し結晶化させる方法(C)を用いた。サンプルには標品タンパク質、ペプチドをマトリックスにはα-シアノ-4-ヒドロキシケイ皮酸、シナピン酸を用いた。結晶状態の観察は肉眼、実体顕微鏡(100倍拡大)、質量分析計内のCCDカメラ画像で行った。またサンプル濃度を変化させ測定感度を検証した。 3.研究結果 ペプチドを測定した場合B、C、Aの順、タンパク質の場合C、B、Aの順で大きいイオン強度のスペクトルが得られ、レーザー照射位置によるイオン強度の差が小さく感度・精度良く測定できた。結晶状態を観察すると薄膜結晶上で結晶化した方法(B、C)の場合、Aと比較して結晶サイズが小さく、大きさのばらつきが少なかった。これによりレーザー照射位置によるイオン強度の差が小さくなったと考えられる。また、複数のサンプルを処理した場合、B,Cの方がスポット毎のサンプル形状のばらつきが少なく、ハンドリングの影響が小さいと考えられる。簡便に精度良く測定するためには薄膜結晶上での結晶化が望ましいことが明らかになった。
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