Project/Area Number |
21916007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
地球惑星科学
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Research Institution | 杉並区立科学館 |
Principal Investigator |
川辺 文久 杉並区立科学館, 指導員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2009: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 地質学 / 気候変動 / 化石 |
Research Abstract |
現在は長大な地球史におけるの時間断面のひとつである.地質学の研究によって,地球は過去に何度も温暖化や寒冷化を経験したことやCO_2濃度と気候の関係が解明されつつある.これらの知見は現在の気候システムやCO_2濃度が地球本来のしくみから逸脱しているかを評価することや,将来温暖化が進んだ場合に参考となる先例を提示することに繋がる. 本研究では,まず小学生から大学生の1519名に対して気候変動の基本的知識の理解度を調査した.その中で「人類は現在よりも温暖な時期を経験したことがあると思うか」と質問した.6000~4500年前のプシサーマル期(日本では縄文時代)はヨーロッパや東アジアなどで現在よりも1~3℃温暖であったとされる.千葉県館山市の沼サンゴなどはその証である.よって期待する回答は"ある"である.ところが,いずれの世代においても大多数が"ない"と答えた.地球環境を歴史科学的視点で考える姿勢は浸透していないことが明らかとなった.本内容は日本地学教育学会(三重大学)で発表した. 上記の結果を踏まえて以下をテーマにした気候変動史に関する教育普及プログラムを開発するとともに,勤務先科学館の体験教室などで実践した(小学生対象2回,中学生対象3回,高校生以上対象4回). (1)都圏でも実施可能な野外体験プログラムの開発. 関東地方南部に広がる第四系更新統を教材とし地層の観察,貝化石・有孔虫化石の解析に基づいて過去40万年間の自然由来の気候変動,すなわち氷期-間氷期の繰り返しを体験的に理解するプログラムを開発した.千葉県君津市の地蔵堂層,木更津市の藪層,印旛村の木下層を教材とした. (2)恐竜,アンモナイトの人気を利用した教育プログラムの開発. 恐竜やアンモナイトが繁栄していた約1億年前の白亜紀中期,CO_2による温室効果が極度に進行し,北海道までサンゴ礁が広がっていた.もし,このまま化石燃料の消費がつづくと22世紀末にはCO_2濃度が白亜紀中期の温室地球に匹敵する1000ppm(現在380ppm)に達するという予測がある.「温暖化すると地球はどうなるのか,生命圏はどうなるのか」という命題を人気の古生物(化石試料)を媒体として学ぶプログラムを開発した.これに関連して,白亜紀の地層分布域(群馬県神流町,千葉県銚子市,茨城県那珂湊市,三重県鳥羽市,兵庫県淡路島)で地質資料の収集を行なった.
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)