Research Abstract |
<研究の成果>本研究では,木材チップを燃料とし,それを分解燃焼(炭化)させた後で表面燃焼させる二段階燃焼方式の熱源用バイオマス燃焼機を開発した.また燃焼室には独自の煙処理用の空気導入管を持つ.燃料はバッチ式で用い,供給空気(酸素)量の調節で半日~数日/1充填の制御燃焼ができる.さらに木質ペレットや大鋸屑,籾殻,竹チップなどの燃焼実験を行い,竹チップが有用な燃料であることを確認した.本燃焼機の利用では,その外周に熱交換部を設け,送風機を用いて強制送風すれば「温風暖房機」となり,通水すれば「温水ボイラ」が構築できる.そのためにビニールハウス暖房や床暖房用への展開が期待でき,平成22年度の科学研究費(奨励研究)を得て温水ボイラの実用化を目指す.なお本成果は,知的財産への手続きが進行中で,3月に本学へ発明届けを提出し,1回目のヒアリング(4月8日)が終了した.そのために二段階燃焼の手法やそのプロセスには触れていない. <研究の意義>わが国の林業は木材価格の長期低迷によって危機的状況にあり,ハウス栽培では暖房用燃料や資材の高騰と生産品価格の下落から採算がとれず放置されたビニールハウスを数多く見る.一方,スギ,ヒノキを中心とした人工林の多くは地域に密着した再生可能なエネルギー資源であり,本研究の結果,それらの未利用材を積極的に活用することで,また暖房コストの低減によって両分野の活性化が期待できる.さらに竹チップの燃料化は,竹害問題の解決にもつながると考えている.
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