冬期湛水等の水稲有機栽培体系における耕種的抑草効果の検討
Project/Area Number |
21925009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農学・水産学
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宇野 亨 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 技術一般職員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2009: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 冬期湛水 / 有機栽培 / 雑草 |
Research Abstract |
【研究目的・方法】 渡り鳥の越冬地の減少に対する対策として注目される冬期湛水・有機栽培水田では、雑草抑制(抑草)が課題となっている。本試験では、冬期湛水・有機栽培水田の耕種管理法として、深水管理と併用した米ぬか散布および中耕除草の抑草効果について、水稲(品種:ひとめぼれ)の栽培試験を行い、検討を行った。試験区は、深水管理(作期水深10cmを目標)のみの《対照区》、深水管理と米ぬか散布(80kg/10a)を併用した《深水+米ぬか区》、深水管理と米ぬか散布及び中耕除草(3回/移植後約一月)を併用した《深水+米ぬか+中耕区》の計3処理とした。田面水の水深・濁度・溶存酸素濃度、雑草の発生数・地上部乾物重、水稲の生育・収量について3反復で調査を行った。 【研究成果】 作期平均水深は約6cmであり、深水管理としては十分に実施できなかった。これは苗が小さかったこと、圃場が均平でないことなどが原因であり、大苗の育苗や圃場整備が必要と考えられた。 深水+米ぬか区では、対照区に比べ田面水の濁度が増加し、溶存酸素が減少することが確認された。また、コナギ・キカシグサなどの雑草発生数も対照区に比べ有意に減少することが示された。しかし、雑草の地上部乾物重は、深水+米ぬか区で最も高い傾向であり、米ぬかが雑草の養分として利用されることが示唆された。そのため、米ぬか散布を抑草法として用いる場合は、他の耕種的抑草法との併用が必要になると考えられた。 深水+米ぬか+中耕区では、田面水の濁度が最も高く、溶存酸素の減少も深水+米ぬか区と同様に認められた。コナギ・タイヌビエ・キカシグサの発生数が抑えられたことにより、雑草地上部乾物重は最も小さく、玄米収量は最も高い傾向を示した。コナギが雑草地上部乾物重の大部分を占めており、中耕除草の回数を増やす、または他の物理的除草法を併用してコナギの数・成長を抑えることで、雑草害をさらに減らすことができると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
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