Project/Area Number |
21926001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
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Research Institution | 大阪府警察本部 |
Principal Investigator |
財津 桂 大阪府警察本部, 科学捜査研究所・化学研究室, 研究員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2009: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 違法ドラッグ / in vitro実験 / フェネチルアミン系薬物 |
Research Abstract |
違法ドラッグは正規の医薬品ではないため、人体投与等の臨床実験が倫理的に不可能であり、ヒト代謝経路の不明なものが多いことから、代謝物の同定はおろか、質量スペクトルや保持指標といった基礎データすら存在しないのが現状であり、違法ドラッグ類の代謝物の分析・同定は困難を極めている。そこで本研究では、ヒト肝ミクロゾーム等の肝組織画分を用いたフェネチルアミン系違法ドラッグ類のin vitro代謝実験を行い、代謝経路の検討および代謝物の同定を試みた。また、国内外の関連学会に参加し、新たに流通している乱用薬物についての情報を収集し、標準品の合成を行った。 1.in vitro実験 当所ですでに合成したフェネチルアミン系薬物の標準品を用いて実験を実施した。ヒト尿中代謝物が同定されているβ-ケトアンフェタミン類のうち、メチロンおよびbk-MBDBについてヒト肝ミクロゾームを用いたin vitro実験を行ったが、メチロンおよびbk-MBDBの酵素反応は観察されなかった。そこで次に、新規麻薬であるN-OH-MDMAについて、ヒト肝ミクロゾームを用いたin vitro実験を行ったところ、MDMAおよびMDAの生成が確認された。さらに複数の新規乱用薬物についてもin vitro実験を実施し、引き続き代謝物の構造推定ならびに合成を実施した。 2.情報収集および新規乱用薬物の合成 カナダで開かれた国際学会IATDMCT(International Association for Therapeutic Drug Monitoring & Clinical Toxicology)に参加し、新たに出現している乱用薬物の最新情報を入手した。特にフルオロメタカチノン類の流通が拡大しているとのことから、当所で直ちにこれらの標準品を合成し、各種分析データの採取を行った。
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