造血幹細胞移植旅行患者におけるアゾール系抗真菌剤併用時のタクロリムス投与設計
Project/Area Number |
21926009
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
薬学Ⅰ
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷口 理沙 Kyoto University, 医学部附属病院・薬剤部, 薬剤師
|
Project Period (FY) |
2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥490,000 (Direct Cost: ¥490,000)
Fiscal Year 2009: ¥490,000 (Direct Cost: ¥490,000)
|
Keywords | タクロリムス / 相互作用 / 個別投与設計 |
Research Abstract |
造血幹細胞移植治療において、移植片対宿主病(GVHD)予防のためにカルシニューリン阻害剤が投与される。一方、感染症の予防・治療のためにアゾール系抗真菌剤が用いられるが、これらはCYP3A4阻害作用をもつことから、同様にCYP3A4で代謝されるカルシニューリン阻害剤の血中濃度推移に影響を及ぼす可能性が高い。本研究では、アゾール系抗真菌剤併用時におけるカルシニューリン阻害剤の投与量調節の必要性とその目安について検討を行った。 対象としては、京都大学血液・腫瘍内科において造血幹細胞移植を施行した患者のうち、タクロリムスを持続静注で投与された患者とし、以降のフルコナゾール(FLCZ)、ボリコナゾール(VRCZ)、イトラコナゾール(ITCZ)併用期間におけるタクロリムス血中濃度と体重当たりの投与量(C/D)比を指標として、各薬剤併用時の投与量調節の必要性について検討した。 タクロリムス単独投与群と比較して、VRCZ内服群においてC/D比が約2.7倍、ITCZ内服群で2.4倍、VRCZ静注群で2倍、FLCZ内服、静注群共に1.5倍に上昇した。従って、カルシニューリン阻害剤の投与量は、VRCZやITCZ併用時に約50~65%、FLCZ併用時に約35%の減量が必要と考えられた。また、シクロスポリン内服患者のC/D比とITCZ血中濃度の相関を検討した結果、濃度依存的にC/D比が上昇し、抗真菌剤の種類や投与経路だけでなく、血中濃度についても考慮する必要があると考えられたため、タクロリムス投与患者においても同様の検討が必要と考えられた。さらに、フェニトイン併用による肝薬物代謝酵素誘導の結果、VRCZの血中濃度が有効域に達しなかったタクロリムス投与症例も見られたため、アゾール系抗真菌剤併用による薬物代謝阻害の影響のみならず、抗けいれん薬の追加による薬物代謝能亢進の影響をも加味した検討が今後さらに必要であることが示唆された。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)