神経トレーサーを用いたマウスにおける大脳基底核からの出入力経路の解析
Project/Area Number |
21930007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
石原 博美 National Institute for Physiological Sciences, 技術課, 技術職員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥590,000 (Direct Cost: ¥590,000)
Fiscal Year 2009: ¥590,000 (Direct Cost: ¥590,000)
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Keywords | 神経回路 / 神経トレーサー / 大脳基底核 |
Research Abstract |
一昨年、他グループより、黒質網様部由来の神経終末がGABA作動性ニューロン上に入力しているかどうかを調べた論文が発表された(Kaneda et al.2008)。しかし、これは大脳基底核からの出力の一例にすぎず、大脳基底核から視床への出力経路等、マウスにおいて解剖学的にまだまだ基礎的なデータが不足している点は多い。そこで、大脳基底核からの出入力経路を明らかにする事を目的とし、実験を行った。 マウス脳の黒質に、ガラス電極を用いて順行性トレーサーのBDAを圧力注入し、矢状断と水平断で軸索の見え方を比較したところ、視床VM核(内側腹側核)に投射する軸索は水平断の方がより多く観察された。また、黒質からの投射先である視床VM核内では、ブートン状の形態が見られ、順行性に投射している様子が観察された。一般的に、BDAは順行性トレーサーとして知られているが、今回の実験においては逆行性に輸送されているものも多く観察され、BDAを圧力注入したものは軸索を追跡する事が難しかった。そこで、BDAを電気泳動的に注入したところ、逆行性に標識された軸索も観察されたが、全体の軸索数は減り、一本一本の軸索を追跡する事が可能なレベルになった。今回の実験では、黒質からVM核内への投射において主に2つの経路が観察されたが、BDAの注入を1つの黒質内で何箇所も行った為、軸索の数が多くなり、黒質のどの部位からの投射か判別がつかなかった。そこで、今後は1つの黒質内での注入を1箇所に限定する事で、全体の軸索数を減らし、抗体染色と合わせて染色する事で、黒質からVM核内への投射に見られる部位特異性等の詳細な検討を行いたいと考えている。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)