Project/Area Number |
21930017
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
基礎医学
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
久保 憲昭 Nagasaki University, 先導生命科学研究支援センター比較動物医学分野(動物実験施設), 技術専門職員
|
Project Period (FY) |
2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥310,000 (Direct Cost: ¥310,000)
Fiscal Year 2009: ¥310,000 (Direct Cost: ¥310,000)
|
Keywords | ネズミ盲腸蟯虫(Syphacia obvelata) / 熱処理 / 殺卵 |
Research Abstract |
【目的】 蟯虫はいくつかの駆虫薬によって駆虫できると報告されていることから、一般に駆虫薬のみで簡単に蟯虫を排除できるという認識があるようである。しかし、環境に残った蟯虫虫卵に対する処置方法が確立していない現状では、高い確率で再発を繰り返すことになる。報告者は平成18年度に「医学実験用マウス由来蟯虫虫卵の通常飼育環境下での生存と消毒効果」という研究課題名で研究費を配分されて研究を行ったが、結果は一般に使用される消毒薬では蟯虫虫卵に対して有効なものはないことが判明した。そこで今回、消毒薬に代わる環境中の虫卵対策としてネズミ盲腸蟯虫(Syphacia obvelata)に対する熱処理での殺卵効果を確かめるため実験を行った。 【方法】 AKRマウスを購入後、ネズミ盲腸蟯虫感染マウスを1週間飼育した床敷き内で飼育、感染させた。感染マウスの肛門周囲から粘着テープ法にて蟯虫卵を採取し、蟯虫卵が付着したテープを50℃、60℃、70℃、80℃の熱湯(湿熱)とホットプレート(乾熱)で1分間ないし5分間処理し、処理済みの蟯虫卵は、人工腸液にて4時間、37℃インキュベーター内で培養し形態を観察した。 【結果及び考】 今回の実験では、未処置で培養した場合に蟯虫卵から脱出している最中の蟯虫出現率が56%であったことから、この形態が観察された場合を生存、その他の形態の場合を死滅と判定することにした。熱処理後に蟯虫卵から脱出中の蟯虫が観察されたのは、ホットプレート50℃1分・5分、60℃1分・5分、70℃1分、80℃1分、熱湯50℃1分・5分、60℃1分・5分であった。ホットプレート70℃5分、80℃5分、熱湯70℃1分・5分、80℃1分・5分では脱出中の蟯虫は観察されなかった。この結果から、ネズミ盲腸蟯虫虫卵は、乾熱の場合70℃5分で、湿熱の場合70℃1分で死滅することが示唆された。
|