Project/Area Number |
21931023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
田野口 優子 University of the Ryukyus, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2009: ¥570,000 (Direct Cost: ¥570,000)
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Keywords | 貯血式自己血輸血 / コアグラーゼ陰性ブドウ球菌 / 細菌汚染 |
Research Abstract |
【目的】自己血輸血は、同種血輸血と比べ、はるかに安全な輸血治療法として推奨されているが、採血と製剤の調製、保管に伴う細菌汚染による感染症は重大な医療事故につながる可能性がある。 本研究課題では、自己血製剤における細菌汚染の危険性を評価するため、琉球大学医学部附属病院で行う自己血製剤採取時の初流血を採取し、その細菌汚染の有無を検査し、培養陽性となった場合にはさらに、貯血バッグ内の汚染細菌の同定と菌濃度測定を行った。 【方法】手術前に貯血式自己血採血を行うすべての患者を対象とした。採血時の初流血5mlを採取し、専用の好気培養ボトルに接種してBACTEC 9120全自動血液培養装置にて、35℃、7日間振とう培養した。培養陽性となった場合には、分離した細菌の菌種を同定し、さらに陽性判定時間と菌濃度の直線回帰式から製剤に含まれる汚染細菌の濃度を算出した。 【結果】2,488件の貯血式自己血採血が実施され、内4件(0.16%)の初流血の培養でcoagulase-negative staphylococci(CNS)が検出された。検出されたCNSは、Staphylococcus hominis 2件、S.warneri 1件、S.capitis 1件で、個々の菌株で求めた生菌数濃度(colony forming unit : cfu/ml)と陽性判定に要した培養時間の直線回帰式から算出した生菌数濃度は、0.06~5.3cfu/mlと比較的低濃度にあったが、S.warneriの検出された1例では1.4×10^4cfu/mlと極めて高い生菌数濃度を示した。白血球除去フィルターを通過させた製剤では、添加したS.hominisが室温放置で対数増殖を開始したが、通過させなかった全血製剤ではほとんど生菌数の増加が観察されず、グラム染色標本では添加した細菌を好中球が多数貪食している像が確認された。 【考察】現在、自己血製剤の管理は個々の医療機関の自己責任に委ねられている。自己血製剤の採血にあたっての細菌混入の可能性は皆無ではなく、一般医療施設での初流血除去回路付き採血バッグの採用、簡便で実用的な自己血初流血の培養方法の考案など、今後とも自己血輸血の安全性を高める検討が必要であると考える。また、製剤からの白血球除去の効果についても、さらなる検討が必要と考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)