Project/Area Number |
21931025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中川 雄伸 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 技術専門職員
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2009: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 卵巣癌 / 腹水細胞診 / セルブロック |
Research Abstract |
[研究目的]卵巣癌は自覚症状に乏しく早期発見が困難な腫瘍で、腹水を伴った進行した状態で発見されることがほとんどである。腹水細胞診は癌細胞のスクリーニングのみならず、病期決定・治療方針決定の際に重要である。上皮性卵巣癌症例の腹水細胞塗沫標本とセルブロック(CB)を併用することで組織型[漿液性腺癌(SC)、粘液性腺癌(MC)、類内膜腺癌(EC)、明細胞腺癌(CCC)]の正診率を向上させることができると推測され、化学療法に感受性の高い症例の臨床的な治療方針決定に貢献できると考えられるため当研究を立案した。 [研究方法]検体はインフォームドコンセントを得た上皮性卵巣癌症例の腹水15例[原発巣の組織診でSC 11例、MC 1例、SCとECの混合型1例、ECとCCCの混合型2例]を用いた。CBの免疫染色はSCの組織型推定の目的でWilms' Tumor 1 Protein(WT1)、CCCの組織型推定の目的でHepatocyte Nuclear Factor-1beta(HNF-1beta)、特殊染色はMCの組織型推定目的のためにジアスターゼ消化過ヨウ素酸シッフ染色(D-PAS)を行った。原発巣の組織診に基づいて、腹水細胞塗沫標本のみの場合とこれにCBを併用した場合の組織型の正診率について比較検討した。混合型の2例については、どちらか一方の組織型と一致した場合も正診とした。 [研究成果]上皮性卵巣癌症例の腹水における組織型の正診率は、細胞塗抹標本のみの場合は80%(12/15)、これにCBを併用した場合は93%(14/15)であった。したがって、細胞塗沫標本とCBを併用することが組織型の正診率向上につながり、化学療法に感受性の高い症例の臨床的な治療方針決定に役立つと考えられた。また、腹水中の上皮性卵巣癌の組織型の推定には、WT1、HNF-1beta、D-PASが有用であると考えられるが、ECとCCCについては他の組織型との混合型であったため正確な結果が得られなかった可能性もある。さらに症例を追加し、純粋なECとCCCについての検索が必要であると考えられた。
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