ガン細胞周期に対応したオーダーメイド化学療法の有効性に関する研究
Project/Area Number |
21933006
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
竹村 正男 Gifu University, 医学部附属病院, 技師長臨床検査技師
|
Project Period (FY) |
2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
Fiscal Year 2009: ¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
|
Keywords | 化学療法Cell-cycle / 肝炎ウイルス / サイトカイン |
Research Abstract |
目的肝癌に対して化学療法のエビデンスは乏しく現在も検索中であり、どのような薬剤が有効か不明である。また、その基礎には肝炎ウイルス(HBV, HCV)の存在が関与している可能性が高く有効薬剤の決定は重要である。申請者は肝類洞類似細胞THP-1細胞(cell-line化されたマクロファージ系細胞)を用いて細胞周期(cell-cycle)を観察し化学療法(メトトレキセート:MTX)の有効性について検討した。 方法基礎実験-1 組織培養法によりTHP-1細胞を10%FCS添加RPMI-1640培地で培養フラスコにより1x10^8個に増殖させる。その増殖曲線を確認し最も早い増殖曲線を示す時間の培養条件(培養時間)を設定しコントロールとした。次に1x10□個に調整した培養シャレーに抗がん剤MTXの濃度を0.1μg/ml、1.0μg/ml、10μg/mlに調整し添加した。それぞれの濃度において12時間、24時間の2ポイントについて5%CO2存在下で培養した。培養後RPMI-1640で3回遠心(1600回転5分)洗浄し70%エタノール固定し試料細胞とした。細胞はGohdeらの方法で細胞質部分を溶解し、細胞核のみにした。DNA cell-cycle測定のためPI染色を行いフローサイトメーターで解析した。解析方法は各cell-cycleのピーク別にsub-G1期、G0-G1期、S期、G2M期、DNA2量体期の5分画に分類し、その分画内のパーセントを算出することで薬剤の効果判定を行った。 結果フローサイトメーターで算出されたcell-cycle分画は、コントロール(培養のみ)sub-G1期(14.5%)、G0-G1期(34.4%)、S期(9.9%)、G2M期(20.7%)、DNA2量体期(20.8%)であった。一方、MTXを添加培養行った系の分画はsub-G1期(44.9%)、G0-G1期(19.7%)、S期(5.7%)、G2M期(12.4%)、DNA2量体期(17.5%)であった。以上の結果、sub-G1期のみに3.1倍の増加が観察されたが、G0-G1期、S期、G2M期、DNA2量体期についてすべて減少していた。このことは、MTXが各G0-G1期、S期、G2M期、DNA2量体期への薬剤感受性があることが示唆され、さらにG0-G1期より低分子を示すsub-G1期はDNAの断片化が進んだものと推測される。 研究効果抗がん剤は患者ガン細胞の特性を確認し、その有効性について患者固有の治療方法を考慮する必要がある。今後、癌患者(同意書確認後)の肝切除時に腫瘍の一部を酵素法で分散し、数種類(5FUを中心に)の抗ガン剤と混合培養を行い同様にDNA-cell cycleの測定を行うことで最も有効薬剤の検索を行い薬理作用の実態を考慮し患者個人への投与量エビデンスの情報提供を行いたいと考えている。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)