近世中国の墓葬実地調査及び新出史料による家族とジェンダーの新研究
Project/Area Number |
21H00558
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03010:Historical studies in general-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
佐々木 愛 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 教授 (00362905)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 裕司 常葉大学, 外国語学部, 教授 (10242794)
小川 快之 国士舘大学, 文学部, 教授 (10400798)
大澤 正昭 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (30113187)
石川 重雄 公益財団法人東洋文庫, 研究部, 研究員 (50636678)
小島 浩之 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 講師 (70334224)
兼田 信一郎 獨協大学, 国際教養学部, 非常勤講師 (70896993)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 中国史 / 家族史 / ジェンダー史 / 墓 / 家族法 / 宋代 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、中国家族史・ジェンダー史の既存の枠組みを革新し、研究を進展させる基盤を形成することを目的とする。これまでの本分野は、滋賀秀三『中国家族法の原理』が1967年以来定説であったが、その所説では、中国の漢から清まで二千年余にわたり家族原理は不変とされていた。これに対し、本研究では中国で古墓を実地調査することに加え、墓葬の考古学的発掘調査報告書のデータや新出土墓誌、貴重資料のデジタルアーカイブなど、滋賀の時代には決して用いることができなかった新たな資料を駆使することにより、滋賀説を不変の原理ではなく歴史的地域的な変化形成の相のもとにとらえる基盤を提示することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、中国家族史・ジェンダー史の既存の枠組み(滋賀秀三「中国家族法の原理)を克服し、研究を一気に加速させるための基盤を形成することを目的とする。本研究ではこの目的を中国現地での古墓の実地調査を中心にして進めたい考えであったが、コロナ禍により海外調査ができないことから、以下のように研究を進めた。 ①『名公書判清明集』懲悪門の訳注作成:本史料は近世中国の家族・ジェンダー史を考える上で優れた史料である。研究期間内の公刊に向けて急ぎ作業を進めた。②報告書『福建・江西・浙江の古墓・史跡調査記2012-2019』の公表:コロナ禍のため現地調査ができないため、これまで行ってきた古墓を含む中国現地調査についての総括を行い、報告書としてまとめた。 ③ 宋墓発掘調査報告書等文献目録の作成 ④ その他オンライン上で研究会を定期的に開き、相互の情報共有や意思疎通をはかりながら個々の研究を進めた。今年度最大の成果は、研究分担者大澤正昭氏による『妻と娘の唐宋時代』(東方書店)の公刊である。本書は家族と女性という視点からの唐宋変革論であり、滋賀「原理」が漢から清まで家族原理は変化しないという前提とは異なる豊かな歴史像を描きだした。ついで研究代表者佐々木の「近世中国における生命発生論 ―母子間の継承関係と父系制」(『東アジアの家族とセクシュアリティ : 規範と逸脱』京大出版会、所収)は、滋賀「原理」の強い父系制を支えてきた生命観は実は清末に至るまで成立していなかったことを明らかにするものである。また小川快之氏は清朝宮廷内のジェンダー構造の分析を行った他、『中国ジェンダー史研究入門』を広く紹介した。また大澤正昭氏は女性の役割とされた養蚕についての技術的側面についての研究を行っている。また石川重雄氏は仏教巡礼の研究を行うなかで、男女で、あるいは女性が主となる巡礼団が構成されていたことを明らかにしている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍により中国現地調査ができないことは予め想定されていたことなので、机上で可能な研究に注力し、今年度だけでも著書や論文、報告書などを公刊したほか、四年間の研究期間をみすえた研究も順調に進められている。コロナによって関係機関の利用が制限されたため研究の進行に影響が出たこともなくはないが、影響は軽微で、おおむね順調といってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は①引き続き『名公書判清明集』の訳注作成作業を進める ②報告書として印刷配布した『福建・江西・浙江の古墓・史跡調査記2012-2019』を加筆訂正して、出版をはかる③宋墓に加え、元墓についても発掘調査目録を作成し、公表する ④ 研究会を継続し、個々の研究の進展をはかる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Book] 妻と娘の唐宋時代2021
Author(s)
大澤正昭
Total Pages
296
Publisher
東方書店
ISBN
9784497221100
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