地域における歴史意識の形成過程に関する研究―由緒関係文書の原本調査を踏まえて―
Project/Area Number |
21H00570
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03020:Japanese history-related
|
Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
坂田 聡 中央大学, 文学部, 教授 (20235154)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬部 隆弘 中京大学, 文学部, 准教授 (00814956)
薗部 寿樹 山形県立米沢女子短期大学, その他部局等, 教授 (10202144)
岡野 友彦 皇學館大学, 文学部, 教授 (40278411)
吉岡 拓 明治学院大学, 教養教育センター, 准教授 (50733309)
冨善 一敏 東京大学, 大学院経済学研究科(経済学部), 学術支援専門職員 (80396829)
大貫 茂紀 中央大学, 商学部, 特任准教授 (00825036)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥8,450,000 (Direct Cost: ¥6,500,000、Indirect Cost: ¥1,950,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
|
Keywords | 日本史 / 由緒論 / 歴史意識 / 百姓のリテラシー / 山国荘 |
Outline of Research at the Start |
本研究では中世~近代の古文書が個々の民家に連続して残存する京都市右京区京北の山国荘地域をフィールドにとり、作成時期の異なる由緒関係文書(何らかの由緒にもとづき身分的優越性や権益を主張する文書)において繰り返し語られることによって、後世の地域社会の歴史意識を規定することになる伝承が由緒として語られはじめる時期と、その伝承を文章化した主体(百姓自身かプロの文書作成代行業者か)、さらには、かかる伝承が地域の歴史として定着する過程について考察する。 また、以上の考察の前提条件として、そもそも近世前期の百姓はどの程度の文章力を有していたのかという問題についても、実証的な検討を加える。
|
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウィルスの蔓延により、昨年度実施できなかった丹波国山国荘地域での、大人数による古文書調査を、本年度こそ実施するつもりだったが、残念ながら本年度もそれがかなわなかった。そのため、昨年度と同様に研究の大枠は維持しつつも、個々の作業計画については一定の見直しを余儀なくされたが、この見直し方針のもと以下の作業を行った。 ① 文書目録の作成と古文書画像データの整理…研究代表者の坂田が過去に獲得してきた科研費による、山国荘地域の現地調査の際に撮影した古文書の画像データがかなりの量蓄積されているので、これらのデータを可能な限り活用するために、昨年度に引き続き、本年度も文書目録の作成作業と古文書の画像データの整理作業を鋭意進めた。具体的には、前者については研究協力者も含むメンバー全員が分担して作業に当たった。そのとりまとめと調整の役割は、パートタイム職員が果たした。後者については、パートタイム職員を中心に作業を進め、整理済みのデータを順次NAS(外部からアクセスできる外付HDD)にアップした。 ② ①で作成・整理したデータの共有による研究の推進…「由緒関係文書の作成時期研究班」と「由緒関係文書の作成主体研究班」の両班について、昨年度に引き続き、上記データを活用することによって各々の課題に関わる研究を推進した。 ③ 論集のコンセプト・概要等の確定…科研費の研究課題を踏まえた共著のコンセプト・タイトル・章立・各章(論稿)の概要についてとりまとめ、執筆者に正式な執筆依頼状を送付するとともに、各執筆者が論稿の執筆に向けた作業を開始した。 ④ 科研費研究成果報告書の刊行…科研費の研究成果報告書として、2冊の古文書目録を刊行し(研究成果報告書Ⅰ『江口喜代志家文書目録・河原林成吏家文書目録』、研究成果報告書Ⅱ『山国神社文書目録・鳥居剛家文書目録・高室美博家文書目録』)、研究成果の公開と共有に努めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度、繰越申請を行って認められた研究費にて行う予定だった山国荘地域での古文書調査、本年度予定していた大人数での古文書調査のいずれも、新型コロナ蔓延の影響で実施することができなかった。 また、その影響もあり由緒関係文書の作成時期・作成主体の確定作業がやや難航しているため、結果として論集の刊行に向けた作業も若干遅れ気味となっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
① 山国荘地域の古文書調査…最終年度に当たる来年度は、大人数による一斉調査は実施せず、必要な範囲で論集の各執筆者を中心にした小規模な補充調査を適宜行う。 ② 文書目録の作成と古文書画像データの整理…本年度に引き続き、来年度もこれまでにストックしている山国荘地域の古文書の画像データを論集の執筆に活用するために、文書目録の作成作業と古文書の画像データの整理作業を鋭意進める。具体的には、前者については研究協力者も含むメンバー全員が分担して作業に当たり、そのとりまとめと調整の役割はパートタイム職員が果たす。後者については、パートタイム職員を中心に作業を進め、整理済みのデータを順次NAS(外部からアクセスできる外付HDD)にアップする。また、本年度と同様に、これらの文書目録をさらに整理して、科研費の研究成果報告書としての刊行を目指す。 ③ 共著の刊行…共著の執筆作業を本格化させ、年度内の刊行を目指す。また、その過程で共著の完成に向けた研究会を適宜オンラインで開催する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(4 results)