Project/Area Number |
21H00580
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03030:History of Asia and Africa-related
|
Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
川本 正知 奈良大学, 文学部, 教授 (30192553)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯貝 健一 京都大学, 文学研究科, 教授 (40351259)
矢島 洋一 奈良女子大学, 人文科学系, 教授 (60410990)
伊藤 隆郎 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (60464260)
佐藤 健太郎 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80434372)
熊倉 和歌子 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (80613570)
近藤 信彰 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (90274993)
磯貝 真澄 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90582502)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
|
Keywords | イェルサレム / ハラム文書 / イスラム法廷文書 / モンゴル時代 / 14世紀イラン社会史 / ヤルリグ / エルサレム |
Outline of Research at the Start |
1970年代にイェルサレムで13-14世紀に書かれた900点ほどの「ハラム文書」とよばれる文書群が発見された。 その中の28点のペルシア語文書の研究はいまだ行われていない。また、14点のアラビア語文書は、28点のペルシア語文書とイラン北部の地名、文書形式、発行年代が共通し両者は一つの文書群をなす。 当研究は、これら42点の文書を解読し、テキストを作成し、翻訳し、既知の文書や既刊の文書集と比較・対照し、その結果をもとに国内外の文書研究者と議論し、それらの文書の資料的価値を決定し、研究成果を解説を付した資料集として出版し、13-14世紀モンゴル支配時代イランの社会史研究の基礎的資料とする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はzoomによる研究会が軌道に乗り、8月と2023年3月をのぞいて月に一度の研究会を行うことができた。そのことにより、42通の文書のうち20以上の文書を読むことができた。当初計画していたように2022年3月に来日されたイランのSusan Asili氏(The Central Library and Documentation Center of the University of Tehran)に4月から研究会にご参加いただき文書読解にご協力いただいた。 2022年8月23日と24日の二日間、研究分担者熊倉がイェルサレムのIslamic Museumを訪れハラム文書の調査をおこなった。9月5日と7日の二日間、研究代表者川本と分担者近藤もIslamic Museum訪れハラム文書の調査をおこなうことができた。いずれも一日3時間と時間制限されたが、ペルシア語文書全部と新たに発見された文書100通ほどを調査することができた。 2023年2月21日から3月5日まで、研究協力者渡部良子がテヘランとアルダビールを訪れ、アルダビール文書研究の第一人者のSheykh-ol-Hokama'i氏に文書解読の助言をもとめ、アルダビール文書を実見・調査した。 2023年3月18日、東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所において東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所基幹研究「記憶のフィールドアーカイビング」との共催でシンポジウム「中央アジア・西アジア文書研究の最前線---ハラム文書研究事始めによせて---」を開催した。分担者近藤が司会をし、研究代表者川本が基調報告をおこない、大阪大学の松井太、研究協力者渡部良子、熊倉和歌子がそれぞれ研究発表をおこない、それぞれの研究に分担者矢島洋一、磯貝健一、佐藤健太郎がコメント・討論を行った。対面参加者15名、オンライン参加者40名。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ハラム文書の写真は日本には東洋文庫にマイクロフィルムが存在するだけであったが、当科研の開始3ヶ月まえにMcgill Institute of Islamic Studiesからネット上にPDFが公開された。それをダウンロードすることができたのでマイクロフィルムの焼き付け・配布の時間・労力を大幅に削減することができた。また、分担者熊倉和歌子が自らの手でLittleによる文書カタログをエクセルによるデータベース化を完成させておりそれを研究会に提供してくれたことにより文書の検索・同定・確認を瞬時にして行うことができるようになった。以上のことから予想されていた従来の煩瑣なデータ整理の必要がまったくなくなったことによりzoomによる研究会をスムーズに行うことができたのでその解読が予想以上の早さで進んだ。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度までにほぼ完全に文書のデータ整理がおわり、半分程度のペルシア語文書を解読できたので、2023年度からは研究の成果発表を随時挟みながら解読をすすめていく予定。 具体的には2023年6月21・22日にオックスフォードでInvisible Eastプロジェクト主催のcolloquiumにおいて研究協力者渡部良子がThe Ilkhanid and post-Ilkhanid Turk-Mongol military society in Persian legal documents from Haram al-Sharifと題して当研究会でのハラム文書の研究成果を発表する。 2023年9月12日-13日にはドイツのハンブルク大学において当研究会が主催するワークショップをおこなう。 2024年度はイランからアルダビール文書の専門家であるSheykh-ol-Hokama'i氏を招聘して東京外国語大学アジアアフリカ言語文化研究所において文書セミナーを開催する予定。
|