Project/Area Number |
21H00677
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 05070:New fields of law-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
磯部 哲 慶應義塾大学, 法務研究科(三田), 教授 (00337453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深町 晋也 立教大学, 法学部, 教授 (00335572)
西迫 大祐 沖縄国際大学, 法学部, 准教授 (10712317)
河嶋 春菜 東北福祉大学, 総合福祉学部, 准教授 (10761645)
小門 穂 大阪大学, 大学院人文学研究科(人文学専攻、芸術学専攻、日本学専攻), 准教授 (20706650)
宮崎 千穂 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (20723802)
井上 悠輔 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30378658)
米村 滋人 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (40419990)
小谷 昌子 神奈川大学, 法学部, 准教授 (80638916)
平体 由美 東洋英和女学院大学, 国際社会学部, 教授 (90275107)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥13,910,000 (Direct Cost: ¥10,700,000、Indirect Cost: ¥3,210,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
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Keywords | 医事法 / 感染症法制 / 公衆衛生 / 感染症法 / 予防接種法 / 患者の権利 / 感染症史 / 生命倫理 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、感染症対策に関わる諸法律のあり方を総合的に見直そうとするものである。感染症法制研究においては、現行の関連各法の趣旨や文言の単なる解釈論を超え、分野横断的に感染症法制に特有の解釈上の基礎的理念を探求する一体的研究が殆ど行われてこなかった。そこで本研究では、感染症法制と医事法、憲法、行政法、刑法及び民法等における現代理論との整合的な理解の構築と比較法的考察を通じた視点の精緻化を図るとともに、感染症対策に関する社会史・倫理的研究の成果をも反映させる。このようにして多分野横断的・比較法的考察を行い、感染症法制の適切な制度設計および解釈運用に資する嚮導的理念を抽出することを重点課題とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、昨年度に引き続き、日本の感染症法制に関する歴史研究を行うとともに、予防接種法制に関する外国比較研究を行った。また、各分担者および協力者が、各自の専門分野を活かし、研究をすすめることができた。 ・予防接種法制に関する比較研究においては、フランスから医事法の専門家を招聘し、研究集会を開催した(2022年12月17日研究会、2023年3月5日研究会)。フランスの専門家からは、同国におけるCOVID-19予防接種を例に、予防接種法制の継続と限界を学ぶことができた。また、本研究課題分担者の側からも、日仏比較研究および日独比較研究の観点から報告およびコメントを行い、比較検討を行うことができた。 ・医療史専門家との研究会等を通じて、歴史研究を踏まえた現行法制度の分析を行った(2023年3月30日研究会等)。これにより、日本のCOVID-19対策における法運用を批判的に検討することができた。 ・ほかに、災害医療や精神保健医療制度との比較で感染症法制の検討を行った。 以上の研究により、COVID-19という現行の感染症対策法制が構築された頃には現実味の薄かったパンデミックが生じたことにより、近年、感染症対策法制の改正や新たな法運用が行われてきたが、このことは、今年度の検討対象とした外国においても共通していることが分かった。ただし、各国において感染症法制の嚮導理念にまで変化があったか否かについては、より深い分析が必要になろう。次年度以降は、これまでに行った史的研究とCOVID-19対策を含む現代的法制度研究とを架橋しつつ、感染症法制の嚮導理念を同定することを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで法学における感染症法制研究において十分に理解を深めてこられなかった、感染症(法制)の歴史について、研究分担者・協力者等の協力を得て、検討を進めることができている。一方で、現代的な課題については、COVID-19対策における各国法制度の変容の把握に時間をとられ、感染症法制の嚮導理念の分析・同定には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
COVID-19の流行によって十分に行うことのできなかった海外調査を実施し、外国における感染症法制の嚮導理念との比較研究を進める。とくに、今年度の研究では、近年のドイツにおいて感染症法制に大きな変化があることがわかったため、ドイツでの現地調査を行う。また、継続して進めているフランスの感染症法制研究については、引き続きフランスの医事法研究者に協力を得ながら比較研究をすすめる。 さらに、医療制度と感染症法制との連関についても研究を進める予定である。そのため、医療制度の黎明期に関する歴史研究からも知見を得るべく、専門家に協力を仰ぐ予定である。 最終的な研究成果は、成果報告書またはシンポジウム報告として公開することを目指している。
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