幼児期の算数と実行機能の関連についての発達認知神経科学的研究
Project/Area Number |
21H00937
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10020:Educational psychology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森口 佑介 京都大学, 文学研究科, 准教授 (80546581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金沢 星慶 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教 (60744993)
石橋 美香子 江戸川大学, 社会学部, 講師 (70962629)
浦上 萌 椙山女学園大学, 人間関係学部, 講師 (70805762)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
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Keywords | 幼児期の算数 / 実行機能 / 前頭前野 / 頭頂葉 / 脳発達 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,幼児を対象に、実行機能と幼児向け算数の発達的関連はいかなるものかを発達認知神経科学的手法によって解明する。具体的には,まず,実行機能の発達が幼児向け算数のどのような側面と関連するかを行動実験によって明らかにする。また,成人の研究から実行機能と算数の両方にかかわると考えられる前頭・頭頂ネットワークに焦点をあて,実行機能課題時および幼児向け算数課題時の前頭・頭頂ネットワークの発達とその関係を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,幼児向け算数に焦点を当て,実行機能と幼児向け算数の発達的関連がいかなるものかを発達認知神経科学的手法によって解明することを目的としている。研究初年度は、行動実験を用いて、実行機能と幼児向け算数の関係を検討した。その結果と、特に、認知的柔軟性と計算課題の間に関連がある可能性が示された。 この結果に基づき、研究2年目である本年は、主に成人を対象に、認知的柔軟性課題と計算課題時における脳活動を近赤外分光法を用いて計測し、その関係を検証した。その結果、両者の課題時において、ベースラインと比べて、強い外側前頭前野の活動がみられた。さらに、課題時の脳活動の関係を検討したところ、両者の相関関係は弱い可能性が示された。これらの結果について、計算課題における外側前頭前野の活動の関与は、課題に習熟すると弱くなるためであるかもしれない。言い換えると、どちらの課題にも習熟していない幼児においては、両者の間に関係がみられる可能性がある。 さらに、本年において、幼児を対象とした予備的実験を実施した。具体的には、幼児に適切な認知的柔軟性課題と計数課題の選定を行った。認知的柔軟性課題については、我々はこれまでも用いてきたルール切り替え課題を用いることとした。また、計算課題については幼児を対象にした脳機能計測研究において計算課題を用いたものは報告されていないため、独自に幼児向けの計算課題を開発した。これらの課題を用いて、数名の子どもを対象に近赤外分光法を用いた脳機能計測を実施したところ、課題としては問題なく、外側前頭前野にも活動がみられた。そのため、研究3年目において、これらの課題を用いた本実験を実施することとする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、おおむね順調に進展している。研究計画では、研究初年度に行動実験を通じて実行機能と幼児向け算数の関係を絞り込み、その結果に基づいて課題を選定し、研究2年目に成人を対象にした脳機能計測実験を実施する予定であった。これらの点に関しては、概ね計画通りに進められている。さらに、研究2年目において、幼児を対象にした予備実験も行っており、研究3年目の最終年度において、幼児を対象にした本実験を行う予定である。さらに、これらの結果に基づき、実行機能と幼児向け算数の関係を統合的に考察する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現状としてはおおむね順調に研究は進展しているが、昨年度も新型コロナウィルスの影響によって、一時的に実験を中止せざるを得ない時期があった。今年度は、昨年度よりは状況がよいことを想定しているものの、新型コロナウィルスやインフルエンザなどの蔓延によって調査を一時的に止めざるを得ない点は想定しておく必要がある。また、実験自体は可能であっても、脳機能計測は実験者と参加者のある程度の接触が必要になってくるため、脳機能計測ができなくなる点は想定する必要がある。その場合は、行動実験のみにしたり、参加者数を減らすなどの対応をとる。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)
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[Book] 子どもの発達格差2021
Author(s)
森口 佑介
Total Pages
240
Publisher
PHP研究所
ISBN
4569849784
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