Project/Area Number |
21H02301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41020:Rural sociology and agricultural structure-related
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Research Institution | Hokkai-Gakuen University |
Principal Investigator |
宮入 隆 北海学園大学, 経済学部, 教授 (40422018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 貴文 北海道大学, 水産科学研究院, 准教授 (00518954)
上林 千恵子 法政大学, その他部局等, 名誉教授 (30255202)
大島 一二 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (40194138)
安藤 光義 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (40261747)
桑原田 智之 農林水産省農林水産政策研究所, その他部局等, 研究員 (70832145)
堀口 健治 早稲田大学, 政治経済学術院, 名誉教授 (80041705)
大仲 克俊 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (80757378)
弦間 正彦 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (90231729)
軍司 聖詞 福知山公立大学, 地域経営学部, 准教授 (40546751)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 国際労働力市場 / 外国人技能実習制度 / 特定技能制度 / 外国人労働者 / ポストコロナ / 外国人労働力 / 特定技能外国人制度 / 国際労働市場 / 特定技能 / コロナ禍 / 移民受入れ |
Outline of Research at the Start |
雇用労働力不足が最大の課題となっている日本農業において、外国人労働力への依存が急速に高まっているとともに、制度的な変化等により受入方式も多様化している。また、他産業の雇用動向や送出し国の経済状況変化などの影響も受け、国際的な労働力市場のなかで問題を捉える重要性が増している。このような状況を鑑み、本研究では外国人材の受入拡大と多様化が進行する農業を中心に、国内外の実態調査に基づいて国際労働力市場におけるわが国の受入競争力を検証するとともに、ポストコロナを見据えた外国人労働力調達のあり方を総合的に考察することを目的としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
国内実態調査に関しては、堀口・軍司による茨城・長野での共同調査(5~10月)、宮入・堀口による鹿児島での共同調査(12月)など、研究グループとしての活動も行いながら、その他、各分担者による国内農業や他産業での実態調査が進められた。例えば、北海道における大規模酪農集積地、また香川県における園芸産地などで定点観測的な調査も開始されている。実態調査の成果としては、とくにコロナ禍以降の変化とその対応に注視した。農業分野においては、技能実習1号での入国・受入れが極端に減少した一方で、帰国遅延者(特定活動)の受入れや技能実習生の特定技能への在留変更による雇用の長期化など、在留資格の多様化が進行し、結果として外国人材の雇用人数が減少していないことが明らかになった。これらの研究成果は、農業経済学分野の各学会などで報告されたほか、学会誌にも投稿され、書籍の一部分としても成果が社会に還元されている。 比較対象としている製造業や水産業における実態調査も上林・佐々木を中心に進められた。上林は製造業(岐阜県)での技能実習生雇用と自治体支援の実態を調査するとともに、福井県や島根県での日系ブラジル人の雇用と支援の調査を通じ、一時的在留者である技能実習生等と永住・定住を視野に入れて共生社会の実現が検討されている他の在留資格の問題との比較から、移民受入れ理論の再検討も進めた。佐々木は漁業センサス分析を深めたほか、漁業分野における外国人材の導入と労使問題という観点から、新たな段階に移行しつつある状況把握とその成果報告を進めている。 また桑原田・安藤・大島・弦間らは、海外の最新文献の踏査を進め、英国を中心とする欧州の外国人農業労働力問題の動向分析を行い、成果報告も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2020年6月の研究グループ立ち上げ時期に想定した以上に海外への渡航が制限されることで、初年度である2021年度内は、本研究テーマにおいて重要な労働者の供給先となる東南アジア等への海外調査を行うことができなかった。 代替措置として当然のことながら、ZOOM等を活用してオンラインでの調査実施も検討した。しかしながら、第1に、我々が対象とする農村では、インフラとして、十分なオンライン環境が整っていないこと、第2に、送出し機関などに協力してもらう調査設計段階においては、オンラインでの打ち合わせも可能であるが、それら送出し機関等の影響を受けずに、実習生経験者などから「生の声」を集めるためには、現地に行く必要があるという結論になったのである。 そのため、資金の繰り越し措置を申請し、翌2022年にはベトナム・カンボジアへの調査を実施することで、多少なりとも遅れをリカバーすることが可能となった。2023年度は、ベトナム・カンボジアのほか、インドネシアでの調査実施も予定している。 国内における実態調査も2021年度に実施できた地域がある一方で、先方の都合で調査が行えなかった調査地や、十分な調査を実施できなかった事例等が出てきた。この部分についても、2022年以降の移動制限緩和を受けて、調査を増やして対応を図ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究における調査研究体制は、①供給源農村調査(ベトナム・中国ほか東南アジアの人材送出し国)、②調達国実態踏査(米国・イギリス・EU、韓国、台湾など比較対象となる受入れ国調査)、③統計・動向調査(国内実態調査、政策・統計資料分析)の3つに分かれ、各研究分担者がいずれかを1つ以上担当し、相互に情報交換するかたちで進めていく。 2年目となる2022年度以降は研究組織の情報交換による相乗効果を高めるため、実態調査を通じた関係者・機関の情報蓄積を活かして、外部有識者・関係者も招聘し、本研究組織が中心となる研究会を対面またはオンラインで複数回開催する。 実態調査については、国内は香川県・北海道・鹿児島県・茨城県、長野県)、海外については、ベトナム・カンボジア・インドネシア、欧州を中心に進める。労働者の供給源となっている国の調査においては、送出し機関関係者のみならず、日本から帰国した技能実習生経験者など当事者への調査を実施し、その成果を既存の日本側の産地の実態調査との接合することで、より総合的・立体的な研究成果の獲得を目指している。 特定技能制度が5年目を迎える2023年度は導入当初より制度変更も予定されているほか、コロナ禍の渡航制限の緩和措置、国際関係等々の新たな状況変化に応じた労働力市場の変化を正確に捉えることに注力していく。 2023年度は最終年度となることから、各部門の研究成果を取りまとめて、総合的な分析・考察を行う。本研究の総体的な成果は、研究分担者による報告書として2024年3月にとりまとめる予定である。本研究グループが中心となって、制度見直しに向けた現実的な政策提言をなしうるように、実践と理論的枠組みとのすり合わせも行っていく。
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